2009年12月24日木曜日

クリスマス・イン・ラサ

小春日和の午後、上野の森美術館で「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」を鑑賞。展示物も素晴らしかったのですが、美術館前で静かに行われていた抗議行動も素晴らしかったです。

数年前から天葬(鳥葬ともいいます)になぜか異常に惹かれて、チベットに関する書籍を当ったりしていました。今回の展示では、チティパティという鳥葬場の守護精霊の装束が唯一その関連でした。というのも、中国当局が天葬は野蛮な習俗として、現在は執り行われていないという公式な見解を持っているからみたいです。

チティパティは画像の通り、ハロウィンの骸骨の全身タイツの黒いところを赤に変えたような姿をしていて、川喜田二郎の『鳥葬の国』の遺体解体描写を彷彿とさせます。鳥が食べ易いように、食べ残して他の獣に荒らされないように、すべてのパーツが専門の医僧により処理されるのだそうです。

岩ばかりで水も燃料も貴重なチベットでは、天葬はとても合理的でクリーンな埋葬方法なのだと思います。

そりゃまあ、大英博物館は大航海時代の、ルーブル美術館はナポレオン時代の侵略戦争の戦利品、略奪品の展示から始まったものですが、何百年の時間に浄化(or美化)されているこれらと異なり、いまリアルタイムで起きていることですから、伝わるものが違います。

この感じをうまく言語化できませんが、よく考えてみたいと思います。

※主催者側と抗議団体のそれぞれのサイトです。
http://www.seichi-tibet.jp/
http://www.seichi-tibet.com/

2009年11月23日月曜日

泉屋のクッキー

ここ数日は寒暖の差が激しいですね。ユナイテッドシネマ豊洲で『なくもんか』を観ました。 文京区にある架空の商店街を舞台にした宮藤官九郎脚本、水田伸生監督、阿部サダヲ主演の映画です。

クドカン作品らしい、小ネタと伏線が張り巡らされたコメディですが、意外にも(?)「いい話」。笑えます。竹内結子が『ランチの女王』以来のワイルドなキャラクターを好演。ちょっと見直しちゃったな。

阿部サダヲ演じる主人公の山ちゃんが、幼い頃からずっと大事にしている泉屋東京店のクッキー缶。そういえば実家にあって、端切れ布とか入れていました。

2009年11月3日火曜日

東京2-0川崎

昨晩のゲリラ豪雨と打って変わって、快晴の文化の日。国立競技場で、2009Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝を観戦。いい試合でした。

14時キックオフの試合で、開門11時。11時半頃スタジアムに着いたら、もうゴール裏はぎっしり、バックスタンド最上段に席を確保。昨夜の雨で空気が澄んでいたせいか、遠くの富士山がくっきり見えました。

ぴりっと乾いた秋の野外に数時間いて、くちびるが乾燥しました。日なたは日陰より気温が高い。とか、日が傾くと影が伸びる。とか、当たり前のことを当たり前に感じられるのが、屋根無しの国立競技場のいいところ。雨の日の試合は大変ですが。。

2009年10月25日日曜日

初恋

昨日は"Evergreen Knee-High Revue"でした。あいにくの雨にもかかわらず会場にいらしていただいたみなさん、いろんな都合で来られなかったけれど気にかけてくださったみなさん、どうもありがとうございました!

今回は岸田衿子さんにトリビュートというかたちになりましたが、こんなふうにテーマを決めた朗読会というのを主催したのは初めてでした。終演後に声を掛けていただいた方のお話やアンケートを読むと概ね好評だったようで、あらためて衿子さんの作品の持つ力を実感しました。

朗読会が終って、会場の古書ほうろうさんでしばらくまったりしていたら、なんと岸田衿子さんご本人からお店あてに電話が! 僕も出演者の役得で二言三言お話しさせていただきました。とてもうれしかったです。

そのあと、持っていった「名作アニメ劇場」の主題歌集をかけてもらって、お客さんたちとみんなで盛り上がりました。クラシックなアニソンが大音量で流れる古書店ってステキです。
 

2009年10月17日土曜日

Evergreen Knee-High Revue

一昨年秋から小森さんと始めたTKレビューの第4回「エヴァーグリーン・ニーハイ・レビュー」。今回はすこし趣向を変えて、谷中芸工展の一環として、谷中在住の伝説的詩人、岸田衿子さん(*)にトリビュート。衿子作品と自作を織り交ぜて朗読します。

ゲストは第1回に続いて再登場の石渡紀美さんです。

◇石渡紀美(イシワタキミ)
詩人。埼玉県桶川市在住。しっかり地に足が着いていながらどこまでも自由な人。

◇小森岳史(コモリタケシ)
ダブルタケシのデカいほう。最近ネット古書店を開業。
http://trixis.shop-pro.jp/

◇カワグチタケシ(カワグチタケシ)
ダブルタケシのちっちゃいほう。最近岸田衿子詩集を全冊コンプリート。

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第17回芸工展参加企画
DOUBLE TAKESHI PRODUCTION PRESENTS T.K.REVUE04
TRIBUTE TO 岸田衿子
Evergreen Knee-High Revue
エヴァーグリーン・ニーハイ・レビュー

2009年10月24日(土)18:00開演
出演:石渡紀美、小森岳史、カワグチタケシ
料金:1000円
会場:古書ほうろう(東京都文京区千駄木3-25-5)   
    tel.03-3824-3388     

会場の地図はこちら↓
http://www.yanesen.net/horo/about/
東京メトロ千代田線千駄木駅2番出口を地上に出てそのまま左に7~8分。JR山手線日暮里駅からの道のりも楽しいです。
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岸田衿子 (キシダエリコ)
1929年東京生まれ。詩人・童話作家・作詞家。女優の故岸田今日子の姉。最も世に知られた仕事はカルピス名作劇場の主題歌の作詞かもしれません。『フランダースの犬』『アルプスの少女ハイジ』『あらいぐまラスカル』『赤毛のアン』も衿子さんの作詞です。小さいころ絵本で出会った方も多いのでは。 一年の半分以上を浅間山麓に暮す「森ガール」の草分け的存在(!)。

当日は谷中芸工展という地域のアートイベントの開催期間中で、古書ほうろうさんのご近所のギャラリーやカフェでもたくさんの催しがあります。秋の下町散策を兼ねて、是非ニーハイでご来場ください!

2009年10月11日日曜日

タータン・メイツ

東京湾岸はキンモクセイの香りで満ちています。新横浜の日産スタジアムでサッカー日本代表vsスコットランド代表を観戦しました。

試合とか新召集選手とかもですけれど、実は今回一番楽しみにしていたのがスコットランド代表サポーターのファッションです。 というのも、1998年フランスW杯にスコットランドが出場したとき、ゴール裏スタンドを占拠した民族衣装の一群が衝撃的で、それを日本で生で見られる機会はそんなにない!ということで。

スコットランドの民族衣装といえばタータンチェックのキルト、男性の巻きスカート姿ですね。キャンディ・キャンディの丘の上の王子様みたいな。

乗り換え駅の中目黒でさっそく向かい側ホームを出て行く東横線急行にそれらしき姿を見つけました。新横浜駅やスタジアムのコンコースにももちろん。そりゃまあ、地元日本人サポーターに比べたらわずかな人数ですが。

元々タータンチェックというのは、日本の家紋と同じで、家系によって織り柄が異なり、それぞれの柄に家名がついているものなのだそうです。代表チームのユニフォームがネイビーなので、濃紺や深緑をベースにしたチェックのキルトを履いている人が多かったのですが、他にもオレンジ色や朱色のもあってとてもきれい。

トップスはほとんどがユニフォームかTシャツで、正装の人はひとりしか見つけられませんでした。足元はハイソックスにギリー靴が正式なのですが、トレッキング・ブーツが人気みたいで、そのバランスもなかなかかわいいです。

でもね、スコットランド人ってとにかくデカくてゴツいんですよ。駅とかで隣り合うと。ま、そのギャップも含め。

試合は、プレイも応援も代表戦らしく大味でした。レフェリーとボールパーソンはよかったと思います。

2009年10月3日土曜日

すべて支那人は明後日の新聞の愛読者です。

雨が降ったり止んだりの土曜日の昼下がり、 PARCO劇場で『中国の不思議な役人』を観劇しました。 寺山修司の戯曲を白井晃が、アングラテイストは残しつつ、すっきりポップなミュージカル活劇にリメイク。

2月にTKレビュー3で共演させていただいたエミ・エレオノーラさんが、上海中のあらゆる本から「私」という文字を切り抜いてしまう肺病持ちの娼婦という、寺山ならではのキャラを華やかに演じています。

舞台美術は天井桟敷の小竹信節。竹ひご細工とか割り箸ピストルを巨大化したようなウッディーな可動からくり装置が、男子の工作ゴコロをくすぐります。

そんな舞台の上で動いている人たちを眺めているのはそれだけで楽しいことですが、今回は役者さんとダンサー(舞踏家)たちの動きや立ち姿の違いを観察しました。エミさんはそのどちらでもなく、エンターテイナーという感じ。カーテンコールのおじぎの仕方とか。

舞台にいる時間はそれほど長くはないのですが平幹二郎の圧倒的な存在感。女衒役の岩松了もナイス・キャスティング。夏未エレナ演じる主人公花姚の兄、麦役の田島優成くんは瑛太と森山未來と田中圭のいいとこどりしたみたいにチャーミングな若手俳優。今後要注目ですね。

終演後、楽屋口にてエミさんにシングルモルト・ウィスキーの差し入れ。出演者と関係者とでごったがえしていました。

2009年9月28日月曜日

再会

ユナイテッドシネマ豊洲で是枝裕和監督の『空気人形』を観ました。板尾創路演じる中年のファミレス店員が所有する旧式のダッチワイフが、心を持ってしまうというR-15指定のお話。ペ・ドゥナが人形役を終始愛くるしく演じ、それだけでスクリーンいっぱいに幸せが溢れます。人形なのでつなぎめがあるのですが、shu uemuraに行ってコンシーラーで消してもらったり。 空気栓はおへそです。吉野弘の『生命は』を拙い日本語で朗読するのもチャーミング。

登場人物がことごとく孤独なのが切ない。

板尾さんの部屋は月島あたりの設定だと思いますが、変にガーリィなインテリアが変です。ピローケースがマトリョーシカ柄。

人形職人役のオダギリジョーも出番は短いのですが、とてもいいお芝居をしています。

ペ・ドゥナとは、25歳で韓国から留学してきた女子高生役を初々しく演じた『リンダ・リンダ・リンダ』以来、ARATAとは、こちらも27歳で男子高生役を演じた『ピンポン』以来の再会でした。

2009年9月26日土曜日

裏庭朗読会

以前3K11というポエトリー・リーディングで共演した女子三人組リーディング・ユニットのワニラが主催するオープンマイクに行ってきました。会場は白山にある映画館という名のJAZZ喫茶、こちらにもいつもお世話になっています。

ワニラの三人(嘉村奈緒イシダユーリ小夜)はそれぞれソロでも活躍中ですが、久しぶりに聴いた三人揃ったワニラの朗読がよかったな。それと今回MCを担当した奈緒ちゃんの進行が素晴らしかった。

他には、ササダさん?というウィリアム・サロイヤンを読んだベリーショートの女の子、伊津野重美さん、ジュテーム北村氏の「裏庭組曲」、キキさんの『赤毛のアン』などが印象に残りました。

僕は、20年がかりで最近ようやく詩集をコンプリートした岸田衿子さんの『忘れた秋』から無題のソネット、『らいおん物語』から「音無姫」を朗読しました。

『ココ・アヴァン・シャネル』を観たので、張り切ってボーダーのシャツを着て出かけたら、ジュテさんとユーリもボーダーで、三人並ぶとなんか変な感じに。。
帰りの地下鉄では猫道くんとお話しして、いい刺戟を受けました。どうもありがとうございます。

2009年9月22日火曜日

再会

丸の内ピカデリー2で『ココ・アヴァン・シャネル』を鑑賞。題名の通り、修道院に引き取られてから、世界的ファッションデザイナーになる手前までのココ・シャネルの物語(日本で言ったら明治⇒大正⇒昭和、亡き祖母と同世代ですねー)。久しぶりに、フランス映画らしいフランス映画を観ました。

貧しい階級の出身で、社交界で差別的な扱いを受けた主人公のモチベーションは、富と名声を得ること。そのことで自分の居場所を獲得すること。

女性を解放し、自立させたとされる、婦人服の意匠に関する彼女の革新は、背広や漁師のボーダーシャツ、ジャージのスポーツウェアなど、紳士服のコンセプトを転用したもの。階級の壁を越えるためにヒットさせた新しいファッションの買い手は、結局富裕階級の女たちだったこと。

二重のアイロニーを主人公役のオドレイ・トトゥが抑えた演技でうまく表現しています。『アメリ』 以来8年ぶりの再会と思ったら、5年前に『ロング・エンゲージメント』を観ていました。印象薄い。。

衣裳はどれもステキでした。特に最初のシーンの子役が着ている重そうなウールのフード付きポンチョ。仮装パーティでココが着るボーイッシュな黒のパンツスーツ、バルザンのヘリンボーンツイードのスリーピースも好き。

2009年9月13日日曜日

夏の陣

秋ですね。秋ですが、麻のシャツを着て、ユナイテッドシネマ豊洲に「サマー・ウォーズ」を観に行きました。今年度暫定マイベストムービーにします。公開からずいぶん経つのに、いつもガランとしたシネコンが満員でした。

ちょうど前日のNHKトップランナーが細田守監督で、ロケハン時の駅弁の写真が映ったのですが、それがそのままアニメ化されていたり、別の楽しみも含めて。なんかそういうのってタイミングですよね。

ハッキングによってサイバースペースの秩序が破壊され、現実世界の公共インフラに影響が出ているときでも、高校野球の試合は何事もないかのように進んでいく。一方で、世界中のどこにいても力を合わせて何かを成し遂げることができる。

クライマックスの戦闘シーン(肥大化した人工知能vs和風美少女)では、日本の伝統的なカードゲームである花札で決着を着けます。劇場パンフに「こいこい」の役の解説が載っています。映画を観てパンフレットを買ったのは何年ぶりだろう。。

ジャパニメーションの様式美に則り、ヒロインの入浴シーンがちゃんと入っているのも好印象。お座敷ショットのフレーミングが小津映画ばりのローアングルなのは、仮想世界OZとかけているのかな。

声優陣では、佳主馬役の谷村美月が好演しています。仲里依紗もよかったな。 いい映画を観ました!

2009年9月6日日曜日

赤塚不二男展

シネカノン有楽町二丁目で『女の子ものがたり』 を観てから、Jプレスさんにいただいた招待券で銀座松屋8階大催事場の『赤塚不二男展』へ。20代の小洒落た男女を中心に、満員御礼な会場でした。

『天才バカボン』は雑誌連載時にほぼリアルタイムで読んでいたのですが、『レッツラゴン』になってから小学生には難解過ぎて、それから疎遠に。会場で久しぶりに再会した作品群の中では『ひみつのアッコちゃん』が一番印象深かったです。なんと三回もアニメ化されているんですね。歴代のコンパクトの展示も泣かせます。

展示後半で、等身大のモノクロのパネルで赤塚作品の主要キャラクターをほぼ網羅しているところがあるのですが、壁から飛び出してくる感じで見ごたえがありました。あと二日の会期ですが、見て損は無いと思いますので是非。

それから東京JAZZ2009が開催されている東京国際フォーラムを通って雰囲気だけ味わい、先週OPENした丸の内三菱一号館 の赤煉瓦建築を鑑賞して帰ってきました。

『女の子ものがたり』は漫画家が主人公という共通点があるせいか『グーグーだって猫である』的に若干残念な仕上がりでした。西原理恵子の原作漫画のつくりが、相当ブルージィなお話をパステルカラーの絵で中和しているようなところがあるので、実写になるとブルース色が前面に出過ぎなのかもしれません。

主人公の小学生・高校生・大人をそれぞれ森迫永依、大後寿々花、深津絵理が演じていますが、三人全員が左利きで、同一人物の設定なので当然とはいえ、左利き好きには堪らないです(実は深津さんだけ本当は右利きだそうです)。

2009年8月23日日曜日

サマーツアー

東京駅9:00発の特急踊り子号で終点の伊豆急下田まで2時間40分。半年ぶりに開催されたBOOKWORMに参加しました。今回の会場はCAFE開さん、南伊豆では一番の老舗旅館の別邸のなまこ壁の蔵を改装したお店です。スタッフの藤田文吾氏曰く築100年以上。参加者はいつものメンバーと地元の方と半分ぐらい。下田サブカルチャー。

手が入りすぎていない庭。蝉時雨。木漏れ日。そこにいるだけで気持ちが緩むようなところで、いつも以上にゆるく始まったBOOKWORMサマーツアーです。このイベントを下田に呼んでくれたマキさんがBOOKWORMを知ったきっかけが、僕が7年間編集スタッフをしていたPOETRY CALENDAR TOKYO だそうです。続けていると、いろんなところでつながってくるものですね。

渕上零くんの虹の話、遠藤コージさんの歌「ブルーズと暮らしている」、ユージさんのナナオサカキと暮らした話、などなど。みんなよかったです。僕は梨木果歩さんの『家守奇譚』から「サルスベリ」を紹介しました。

次回は来週8月29日(土)に、長野県の高遠本の町で高遠ブックフェスティバル 内のイベントとして鉾持神社で開催されます。僕は他に用事があって行けないのですが、お時間のある方は夏休み最後の遠出にいかがでしょう。

2009年8月22日土曜日

斎藤幸子

テアトル銀座で鈴木聡作、河原雅彦演出の『斎藤幸子』を観劇しました。下町月島を舞台にしたコメディ。高校二年の夏に毒蛙に咬まれたのをキッカケに、不運な人生を送る主人公。父親役のもんじゃ屋主人をきたろう氏が好演しています。 そして主人公の斎藤幸子役を演じる斉藤由貴さんのフィジカルなたっぷり感。

ウェルメイドでハートフルで楽しいお芝居なのですが、どっぷり感情移入できなかったのは、さっぱりした演出のせいなのか。ここ泣かせどころ!、ってとこもスーっと見せちゃうので。あと、主人公が実はそんなに不幸じゃないんじゃないかって思ってしまいました。

というのも最近、情報収集の必要があって ここのサイト を見る機会があったのですが、なんかもうすごい大変な思いをして暮している方が世の中にはたくさんいらっしゃるんだなあ、と思って。本来の目的とは違ったのですが、視野が広がりました。

2009年8月15日土曜日

ベッドリッジ駅

やっと真夏らしくなった土曜日、3月23日のエントリー でも触れたラッセ・ハルストレム監督の『HACHI 約束の犬』をユナイテッドシネマ豊洲に観に行きました。

実在のハチが上野教授の帰りを待ったのは、1920~30年代の渋谷駅ですが、作品の舞台はベッドリッジという米東海岸の架空の街。なんだか駅前の坂道の感じとか新百合ヶ丘駅っぽかったです。

昭和の初め頃の渋谷駅前もあんな雰囲気だったのかもしれません。アッパーミドルクラスが暮らす郊外のベッドタウン。

ハチ目線のとき、画面がモノクロームに近くなり、犬の視界ってこんな風なのか、と思いました。

ハルストレム監督作品はいつも音楽と脇役が素敵です。今回も毎朝リチャード・ギアが出勤前にコーヒーを買うホットドッグ屋台の南アジア系のご主人がとてもよかった。

そんなわけで、この映画を観るときっとホットドッグが食べたくなることでしょう。堪らず寄った HOLE'D BAGUETTEららぽーと豊洲店 で食べたのは、コッペパン半切のアメリカンタイプではなく、昔ウィーンの屋台で食べたみたいなバゲットに縦穴を開けてソーセージを差し込んだものでした。
 

2009年8月8日土曜日

真夏の夜の夢

シネカノン有楽町二丁目で『真夏の夜の夢』を観ました。シェイクスピアの戯曲の舞台を沖縄の離島に替えて、『ナビィの恋』の中江裕司監督が映画化した作品です。

シェイクスピア戯曲の妖精パックが、島の精霊(キジムン)マジルーという設定。珊瑚礁の深い青、亜熱帯の鮮やかな色彩が印象的です。『ナビィの恋』の音楽は沖縄民謡とアイリッシュトラッドのミクスチャーでしたが、『真夏の夜の夢』では、沖縄のメロディとJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲(のヴィオラ演奏版)が交互に響きます。

人間に忘れ去られると消えてしまうというキジムン。一方、他人に忘れ去られても消えることができないのが現実の人間で、それは少々悲しくもあり、可能性でもあり、みたいなことを考えていました。

ところで、4月27日のエントリーで紹介したシネカノンの館内アナウンスですが、普通のになっていました。どうも前回の担当の方がシネカノン有楽町一丁目に人事異動になった(イトシア⇒ビックカメラ)のではないか、との情報が。。

2009年7月19日日曜日

プライベート・アイズ

劇団フライングステージ第34回公演「プライベート・アイズ」を下北沢 OFF・OFFシアターにて。フライングステージはカミングアウトしているゲイの劇団。ますだいっこうさんが客演していたのがきっかけで、10年ほど前からほぼ毎公演拝見しています。

今回のお芝居は、ネットも携帯もCDもなかった1980年代の高校生。ポップスと映画と芝居と始まったばかりのゲイライフ。ということで、3年前に観た傑作「ムーン・リバー」の続編です。

主宰・脚本・演出の関根信一さんが同い年ということもあり、1982年に17歳という設定がまず完全にツボ。木製の教室椅子8脚のみというシンプルな舞台美術も1990年代のフライングステージの懐かしい感じでした。

主演の早瀬智之さんはもちろんよかった(初見から十年経ち、高校生役も老け役もこなせる役者さんになりました)のですが、今回は女優陣の好演が光りました。

主人公のお母さん、アングラ劇団の看板女優、ジャズバーのシンガーと3役を完璧に演じ分けた西田夏奈子さん、主人公に思いを寄せる幼馴染のボーイッシュなノンケ女子美土里を熱演した加藤記生さん。特に美土里の告白(&失恋)シーンには過剰に感情移入してしまいました。

フライングステージのここ数作は、若干ゲイテイスト含みの本格文芸大作という感じでしたので、久しぶりに直球のゲイストーリーを堪能し、あっという間に2時間の上演時間が過ぎていきました!

2009年7月16日木曜日

我々はどこへ行くのか

昨夜は足田メロウ展「風と景色 -Planetica#4-」 のオープニングパーティにおじゃましてきました。盛況でした。ひさしぶりにあった友人たち、はじめてお会いした京都のみなさん、ギャラリーのスタッフのみなさん、ヌーラさん、メロウさん、どうもありがとうございました!

ニュートロンさんは、真っ白でスクエアな壁が印象的な、とても良いギャラリーです。会期は8月2日(日)までですので、どうぞみなさんお出かけください。赤坂消防署が目印です。

午前中に竹橋の東京国立近代美術館にゴーギャンを見に行きました。近くで現物を見ると、絵の具が薄づきでとっても上品なんですね。それと没後に息子が刷った「ノアノア」の木版画がディテールが明確でよかったです。

実は15年程前にタヒチ島に行ったことがあるのですが、現地にはゴーギャンの原画はありません。気候条件が保存に適していないからだそうです。彫刻はありました。

今回の展示には入っていませんでしたが、ゴーギャンの絵で一番好きなのは、1888年に描かれた「説教のあとの幻影(ヤコブと天使の格闘)」です。


2009年6月28日日曜日

足田メロウ展「風と景色 -Planetica#4-」

昨日はウエノポエトリカンジャム4でした。雨も降らず(むしろ猛暑)、不忍池のほとりで半日楽しく過ごしました。僕の演目は「水の上の透明な駅」「We could send letters」の二篇、めずらしくバックトラックを使用しました。このブログをご覧になって、来てくれた皆さん、どうもありがとうございます。

4月18日のエントリーで京都のイベントを紹介しましたが、僕の詩「Planetica(惑星儀)」をモチーフに、昨年から連作を発表している、京都在住の画家足田メロウ氏の個展が東京で開催されます。

足田メロウ展「風と景色 -Planetica#4-」 
会場:neutron tokyo 3F mini gallery
〒107-0062 東京都港区南青山2-17-14
TEL&FAX  03-3402-3021
MAIL info@neutron-tokyo.com
WEB http://www.neutron-tokyo.com/

期間:2009年7月15日(水)~8月2日(日) *月曜定休
   11:00~19:00(最終日は18:00まで)
   初日(7/15)18:00~20:00 オープニングパーティ(無料)

現物の作品には、印刷物ではわからない、筆づかいや微妙な色彩があったり、想像とは異なるサイズであったり、かならず発見があるはず。自分の書いた詩をモチーフにしていただいているのですが、そこにメロウさんならではの色が加わって、原文よりも広大なものになっています。今回の東京の個展を僕自身とても楽しみにしています。

会期中ご都合のつく方は、是非足をお運びください。オープニングパーティには僕も出席する予定です。

*カワグチタケシ「Planetica(惑星儀)」
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=182999

2009年6月13日土曜日

ウエノポエトリカンジャム4

東京も梅雨入りしましたが、今日はいい天気でしたね。駒沢公園でサッカー観戦して、鼻の頭が真っ赤に日焼けしています。 http://www.jsgoal.jp/game/2009/20090020020120090613.html

6月27日(土)にゲスト出演するポエトリー・リーディングのイベントをお知らせです。UPJのステージに立つのは8年ぶり、僕の出番は日没後の予定です。野外ですが、可動式の屋根付きなので、雨が降っても大丈夫。出演希望の方も、当日エントリーできますので是非どうぞ!

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詩上最大のオープンマイク
ウエノポエトリカンジャム4  詩なんてサイコーだ!

日時:2009年6月27日(土)11:00開場、12:00開始 
会場:上野恩賜公園野外ステージ(台東区上野公園5-20)
   京成本線京成上野駅徒歩1分。JR上野駅不忍出口、
   東京メトロ銀座線上野駅池之端出口、
   東京メトロ千代田線湯島駅2番出口、より数分。
入場料:無料
ゲスト:桑原滝弥、イシダユーリ、服部剛、稀月真皓、猫道、伊津野重美、
    セノオGEE(灰汁)、尾崎友直、カワグチタケシ、toto(SUIKA)、
    なのるなもない(降神、templeATS)、タカツキ(smrytrps)、馬野幹

☆オープンマイクとは、事前、もしくは当日にエントリーすれば誰もが参加、作品を発表できるパフォーマンスの形式。すべての人に開かれています。 欧米でのポエトリー・リーディングでは一般的な形式です。

☆午前10時から出演者の受付と抽選を行います。出演権を獲得されたには、1枠5分のパフォーマンスをお願いします。ひとりで5分でもグループで5分 でもかまいません(出演希望時間帯も同時に決定します。)

☆出演権を獲得された方には1枠500円の参加費のお支払いをお願いします。

☆抽選にはずれた方は定員(70枠)に達するまで何度でも抽選の列に並ぶ ことができます。出演権を獲得された方が再度、抽選の列に並ぶことは ご遠慮下さい。

☆BGMはマイクで拾うことができる生楽器(ギター、パーカッション、笛な ど)とCDの持込が可能です。CDはステージ上に設置してあるCDラジカセを 使用してください。マイクは4本あります。(うちワイヤレス2本)

☆ブース出展(参加費1000円)とライブペインティング(参加費無料)も行います。参加ご希望の方は6月20日までに uenopoet@gmail.com までメールお願い致します。

☆UPJ4 blog  http://d.hatena.ne.jp/UPJvol4/

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2009年6月7日日曜日

石を拾う

雨の土曜日に観劇。新宿シアターサンモールで公演中の東京セレソンデラックス『流れ星』を観ました。地球に衝突して砕けた流星の欠片を、40年間にわたって拾い集め続けた男の話。脚本、演出、主演の宅間孝行さんは、NHK朝ドラ『つばさ』のラジオぽてと真瀬社長です。http://www.ts-dx.com/


魔法使い役の山田まりやさん(元グラビアアイドル)の役者としての利発さ、身のこなしの良さが目立ちました。新宿駅の地下街で詩集を売っている田淵兼子(筆名:白百合椿)役の小谷早弥花さんが終演後メイクを落とした顔の愛らしい美しさに驚愕。劇中の朗読シーンもよかったです。http://star-studio.jp/sayaka/

そういえば、イシカワアユミさんも今回の作品の素材収集のため、雨の日にギンガムチェックのレインコートを着て、フードをかぶって、河原で石拾いをしたそうです。

2009年5月31日日曜日

サウンド・ガーデン

といっても、グランジ・バンドではなくて、

ひとつ前の投稿で紹介したイシカワアユミ作品展『庭』'09の続編「音庭」を観に、下北沢のcafe viet arcoへ。ちょうど雨もほとんど上がって、アジア的に湿った空気を分け、会場は白いペンキが塗られたセメントブロックの壁が印象的なベトナム風カフェ。http://www.renovationplanning.co.jp/arco/

展示作品も前回の黒っぽい地中のイメージから一転して、白を基調とした空間です。今回の箱は小鳥の巣箱。蓋はなく、丸い穴から中を覗きます。天井からはガーゼ製の小鳥のオブジェがたくさん吊り下げられていて、家主が巣立ったあとの巣箱に残された痕跡を鑑賞するかのようです。http://www2.tba.t-com.ne.jp/2beans/2b-garden4.htm

ジョセフ・コーネルとトード・ボーンチェ。どちらも好きなアーティストですが、彼等を思わせる素敵な作品群でした。
http://pem.org/cornell/
http://www.tordboontje.com/

ちょうど会場に作者のイシカワアユミさんご本人がいらっしゃいました。実際にお会いしたのは、昨年6月にstereo sistersがFMブルー湘南で持っているレギュラー番組のゲストに呼んでいただいて以来だと思います。イシカワさんの顔、特に左半分のホクロの位置が好きです。

2009年5月16日土曜日

蓋を開ける

三軒茶屋のカフェRAIN ON THE ROOFで5月17日(日)まで開催されているイシカワアユミ作品展『庭』'09「根っこの記憶」を観に行きました。http://www2.tba.t-com.ne.jp/2beans/2b-garden4.htm

イシカワさんは何度か共演させていただいたことのある女子二名のポエトリーユニットstereo sistersのメンバーでもあります。

壁に作りつけの小棚に、同じ大きさの木製の箱が十数個。言葉が印刷されたしわ紙が入っている木箱、版画で絵が描かれた小石が入っている木箱が交互に並び、それぞれの木箱の蓋を開いて中身を見る、見終ったら蓋を閉じて次の箱へ、というアナログなぬくもりのあるインスタレーション作品です。

ただ展示されている作品を見るというだけでなく、蓋を開く、閉じるという動作がそこに加わることによって、鑑賞者それぞれの時間と空間に作品が溶け込んでいくような、不思議な温度を感じました。中身によって軽い箱もあれば重い箱もあり、フィジカルに繊細に訴えるかける。来週から下北沢のcafe viet arcoで開催される「音庭」も楽しみです。

夜は自宅近くのシネコンで、クリント・イーストウッド監督主演『グラン・トリノ』を鑑賞。イーストウッド演じるポーランド系偏屈じいさんの隣家に住むモン族の姉弟スーとタオがとにかくチャーミングです。モン族は中国、ラオス、タイ等に住む山岳民族で、ベトナム戦争で米軍に協力したために現在の政権から亡命して米国中西部にコミュニティを形成している。

グラン・トリノというのは主人公がかつて工場でその一部を組み立て、いまも大切にしているフォード車の車種名です。中盤爆笑シーンがたくさんあって、エンディングは苦さの中に希望が見える映画でした。
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/

2009年5月4日月曜日

沈黙

ラ・フォル・ジュルネ2009 公演№145 J.S.バッハ「ミサ曲ト短調BWV235」「マニフィカト ニ長調BWV243」http://www.lfj.jp/lfj_2009/

東京国際フォーラムホールCの三階席最後列(3F10列36番)でした。座席の後ろは通路もなく、ただ壁があるだけなのですが、「マニフィカト」の途中で、背後を何かが通る気配を感じました。
http://www.t-i-forum.co.jp/general/guide/eventspace/hall_c/seating.php

 ひとつの沈黙がうまれるのは
 われわれの頭上で
 天使が「時」をさえぎるからだ (田村隆一「天使」)

そんな詩の一節を思い出しました。邪悪さのない良い感じの気配でした。

その後、深夜のホールB7で聴いた№128、ネマニャ・ラドゥロヴィチは演奏者自身が妖精に見えて。セルビアのヴァイオリニストだそうです。旧ユーゴはサッカー界では「東欧のブラジル」なんて呼ばれますよね。そんな感じのファンタジスタ。曲目はJ.S.バッハのヴァイオリン・コンチェルト1、2番でした。

2009年4月27日月曜日

シネカノンの館内アナウンス

シネカノン有楽町二丁目で『ミルク』を観ました。アカデミー主演男優賞の栄冠に恥じないショーン・ペンの素晴らしい演技に感動しました。『アイ・アム・サム』のお芝居も上手かったけれど、もうマドンナの元夫とは呼べません。呼ばせません。

ハッピーエンドではないのですが、不思議と爽やかな感じが残る、いろんな意味で良い映画だと思います。テーマとなる対象が絞られているのに、単純なお話にならないのは、ダン・ホワイトはじめ敵役(?)の描かれ方がちゃんとしているからなのかな。 http://milk-movie.jp/enter.html

デイヴィッド・ボウイの「クイーン・ビッチ」とか、初当選のシーンでかかるスライ&ザ・ファミリー・ストーンとか、音楽も良かったです。

「携帯の電源をお切りください」とか、開演前の注意事項。新しいシネコンだとビデオでちゃちゃっと済ませちゃうじゃないですか。シネカノンさんのは生アナウンスで、それがまた消え入るような語尾で、超チャーミングでした。また聴きに行きたいです。 http://www.cqn-cinemas.com/yurakucho/

2009年4月26日日曜日

マック・ザ・ナイフ

今年の2月にTKレビューにゲスト出演していただいたエミ・エレオノーラさんが出演する音楽劇『三文オペラ』を観に、渋谷東急Bunkamuraシアターコクーンに行ってきました。演出が宮本亜門、主演が三上博史、他の主なキャストが、安倍なつみ、デーモン小暮閣下、田口トモロヲというメジャー感溢れるステージで、上演時間の3時間があっという間でした。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/09_sanmon/

もともとはブレヒトの戯曲にクルト・ワイルが音楽をつけ、1928年にドイツで初演されたこのお芝居の舞台は19世紀末のロンドンです。社会主義リアリズム×表現主義(若干ゴス寄り)の展開が、最後の最後の大フィナーレでどんでん返し。モーツァルトの『魔笛』並みの素晴らしきご都合主義! それが逆に現実を風刺する、みたいな深みもあり。

クルト・ワイルの音楽って、かなりアブストラクトで、レニー・トリスターノあたりにも通じる感じなのですが、平板に流れず立体的に響かせたのは、エミさんたち7人のミュージシャンの力量に拠るところが大きかったのではないでしょうか。

ところで『三文オペラ』といえば、ジャズのスタンダードにもなっている「マック・ザ・ナイフ」ですが、エラ・フィッツジェラルドの『エラ・イン・ベルリン』(1960)が子供の頃から大好きです。「暗くない短調の曲を作れるのが本物の天才」と言って、モーツァルトやポール・マッカートニーを挙げていた友人がいましたが、エラ・フィッツジェラルドはどんなマイナーキーの曲でも明るく歌えてしまう天才だと思います。 http://www.amazon.co.jp/dp/B00008KJUH/

2009年4月18日土曜日

*Planetica vol.02

京都在住の画家足田メロウさんが中心になって隔月開催しているイベント。
僕が書いた詩「Planetica(惑星儀)」をモチーフに多ジャンルのアーティストたちが集まって、空間と時間を作り上げます。その第二回目が4月24日(金)に京都は木屋町UrBANGUILDで開催されます。
関西のみなさん、初夏の京都へ小旅行のみなさん、是非おはこびください!

*Planetica
様々な分野の表現者がそれぞれ役割を果たしながら
"*Planetica"というひとつの表現世界を一年間かけて構築していくプロジェクト。2ヶ月に一度、計6回の公演で、その作品がどのようにして制作・形成され出来上がって行くのかを観察してもらおう、という趣旨です。
例えば更地に一軒の家が建ち上がって行く様子を観るように、一輪の花が芽吹いてから散るまでを観るように。
表現者達が"*Planetica"の血肉、骨格、細胞、時に病となり作業を続け、回を重ねるごとにその輪郭を徐々に浮かび上がらせながら作品の一生を育み、一年後どのような形に成るにしても
"*Planetica"がそれと出会った人々にとって愛おしい存在(表現世界)に成長していることを願います。   代表・足田メロウ

[*Planetica vol.02]
2009年4月24日(金)
出演:袋坂ヤスオ ☆ 身体 http://www.geocities.jp/fkrzkys0/index.html
ニイユミコ (花嵐) ☆ 身体 http://haemosiesta.moe-nifty.com/blog/
足田メロウ ☆ 絵
ヨース毛 (ザッハトルテ) ☆ チェロ
http://ameblo.jp/yosu-ke/theme-10002625421.html
ryotaro ☆ アコーディオン http://www.eonet.ne.jp/~ryotaro/
福西次郎 ☆ 大工

@UrBANGUILD
京都市中京区三条木屋町下るニュー京都ビル三階
http://www.urbanguild.net/  tel.075-212-1125

open.18:30 start.19:30
前売¥2200 当日¥2700
(前回ご来場の方はスタンプカード持参で¥200引き)

企画・制作 *Planetica
text カワグチタケシ http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=182999
staff 安田実恵子
    越智通信
記録写真 うめだあやか
記録映像 江村耕市

ご予約はこちらのアドレスにて前日まで受け付けております。
planetica.plus@gmail.com

2009年4月12日日曜日

デンマークポーク

サッカーJ1リーグ今季初観戦@味の素スタジアム、FC東京1-2鹿島アントラーズ。結果は残念でしたが、いい試合だったと思います。http://www.jsgoal.jp/game/2009/20090100010120090412.html

京王線飛田給駅からスタジアムまで、紅白の八重桜の並木道。ゴール裏2階席には初夏のような風が吹いて、気持ちよく観戦しました。

味スタに行くとホーム側ベンチの後ろにある「デンマークポーク」という看板がいつも気になってしかたありません。スーパーとかで売っているところを見たことがないんですけど。で、検索してみました。http://www.dac.or.jp/denmark-pork.html が、やっぱりよくわからない。。

2009年4月11日土曜日

居場所をつくる

よく晴れた土曜日の午前中。パナソニック電工汐留ミュージアムにウィリアム・メレル・ヴォーリズ展を観に行きました。メンソレータムの近江兄弟社の創始者のひとりであり、お茶の水の山の上ホテルや心斎橋大丸百貨店を設計した建築家のヴォーリズ氏。

神戸女学院図書館の写真が載っているフライヤーをたまたま見て、梁に描かれた花模様(?)にやられ。 http://panasonic-denko.co.jp/corp/museum/exhibition/09/090404/index.html

ふだん、申し訳ないぐらい家具や食器には興味が無いのですが、とても面白かったです。写真と模型、設計図が主でしたが、すべての展示を見終えた後、一冊の本を読んだような満足感がありました。

そういえば、日テレタワーにあったネイサンズ・ホットドッグのお店がいつのまにか無くなっていました。残念です。

2009年3月29日日曜日

本の虫

今日は、百合ヶ丘のchill mondayさんで、一年ぶりに開催されたBOOKWORMに参加しました。一番好きなオープンマイクです。マイクの前に座って、好きな文章を紹介しましょう、もちろん自作の詩でもOKという、本当の意味でのオープンマイク。http://bookworm.typepad.jp/

初めて聴くフミタケさんの歌声、久しぶりの青柳さんの歌声、円城さんの愛車を某連ドラに貸し出した話、chill mondayのオーナー氏のギター、それぞれ印象的でした。新しい才能の発見もあり。今日もいろいろな声でいろんな話が聴けて、4時間半があっという間に過ぎました。

僕は、川喜田二郎著『鳥葬の国』(1960年光文社カッパブックス)から、チベットのラサ近郊で行われる鳥葬の場面を朗読しました。この本の奥付けも良くて、こんなことが書いてあります。

“あなたはこの本を読まれて、どんな感銘を受けられたでしょうか。「読後の感想」を左記あてにお送りいただけましたら、ありがたく存じます。(中略)この本には、一字でも誤植がないようにと思っておりますので、もしも、お気づきの点がありましたら、あわせてお教えください。お手紙には、ご職業や年齢なども書きそえてくださいませんか。”

ところで北京五輪後、日本ではあまり報道がありませんが、今のチベットはどんな感じになっているのでしょうか。

BOOKWORMは今回が11周年。以前は原宿で隔月開催していました。今年はもう一回開催予定ということで、次回も楽しみです!

2009年3月23日月曜日

アーニー・グレイプ

「Beat Goes On vol.10 ~ Nanao forever」ご来場の皆様ありがとうございました。ちょうどうまい具合に雨と雨の隙間を縫って、うれしい再会もあり。久しぶりにヒッピー空間を堪能しました。なんていうか、タイムレス。。。
僕は「Doors close soon after the melody ends」「Angelic Conversations」の二篇を聴いていただきました。

会場が渋谷ということで、ラッセ・ハルストレム監督が『ハチ公物語』を撮ったそうじゃありませんか。http://www.hachi-movie.jp/

ハルストレム監督といえば『ショコラ』『カサノバ』あたりがメジャーですが(もちろん『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』も!)、マイフェイバリットは『ギルバート・グレイプ』。この映画の主役はジョニー・デップですが、弟アーニー役のディカプリオの芝居はほとんど神がかっていると思います。どういうわけだかDVDが絶版みたいなので、ハチ公が大ヒットして再発なんてことになったらいいな、と期待しています。

ところで、上野の国立科学博物館に本物のハチ公の剥製があるって知ってますか?

2009年3月21日土曜日

回転する芭蕉

おも茶箱 2009年春の巻「孤塔詩人、W. B.イェイツの詩を楽しむ午後 イェイツ? Yeats!」無事終了しました。午前中は雨でしたが、会場に着くころにはすっかり晴れて、明るい気持ちで開演時間を迎えることができました。僕の演目は、W.B.イェイツ作、金子光晴訳「ビザンティウムへ船出して」とカワグチタケシ作「ビザンティウムへ地下鉄で」でした。

用意した客席数ぴったりのお客様、ありがとうございます。共演者のみなさん、スタッフのみなさん、お疲れ様でした。そして豪勢な打ち上げ! 牡蠣の胡麻油漬け! http://www.geocities.jp/sora_an_111/

会場のそら庵さんのすぐ近く、隅田川べりに松尾芭蕉の坐像があって、これが時間によって向きを変えるという、都市伝説のような事実があるのですが、終演後に共演者の児玉さんと確かめに行きました。ほんとに回ってる。。http://www.excite.co.jp/News/bit/00091112356387.html

明日は渋谷フライングブックスでリーディングします。こちらもよろしくお願いします! http://www.flying-books.com/

2009年3月6日金曜日

Beat Goes On vol.10 ~ Nanao forever

Flying Books今年初のイベントは、昨年末に旅立たれた詩人ナナオサカキさんの追悼イベントです。
ナナオの盟友、諏訪瀬島の長沢哲夫さんと信州・大鹿村のシンガー内田ボブさんの恒例のツアーに、 ナナオをリスペクトするFlying Books常連の詩人・ミュージシャンが加わります。
前半に若手詩人・MCたちによる追悼マイクリレーを、後半に長沢哲夫さん、内田ボブさんのパフォーマンス、 という2部構成を予定してます。

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3月22日(日) 「Beat Goes On vol.10 ~ Nanao forever」
【ポエトリー・リーディング、ライブ】
出演:長沢哲夫、内田ボブ
ゲスト(予定):さいとういんこ、ハギー・イルファーン、カワグチタケシ、なのるなもない(temple ATS)、ATOM、タカツキ、toto、ロバート・ハリス
OPEN:17:30 start:18:00
会場:Flying Books (
http://www.flying-books.com/
   渋谷区道玄坂1-6-3 渋谷古書センター2F
   (tel)03-3461-1254 (12:00~20:00 日休)
料金:1500円 詳細、
予約方法はこちら→
http://www.flying-books.com/eventtop.htm

2009年3月5日木曜日

イェイツ? Yeats!

おも茶箱   2009年 春の巻
孤塔詩人、W. B.イェイツの詩を楽しむ午後 イェイツ? Yeats!

Life is a perpetual preparation
for something that never happens.
1865年 ダブリン生まれ
アイルランド文芸復興の立役者
神秘主義者
最後のロマン派
モダニスト
ノーベル賞受賞
ウィリアム・バトラー・イェイツ
彼の詩の世界とは…

プログラム                                                   
第1部:講演
第2部:日本語&英語によるイェイツの詩のリーディング
第3部:お楽しみ ♪♪

出演
 にしたにまりこ
 芦田みのり
 かとうゆか
 カワグチタケシ
 大村浩一
 鈴木もとこ
 児玉あゆみ
 イダヅカマコト  他
日時: 2009年3月20日 (金・祝) 13:30開場 / 14:00開演 
入場料: 1,000円 (ドリンク付)
会場: そら庵 http://www.sora-an.info/    
〒135-0006 江東区常盤1-1-1
ご予約・お問い合わせ:yukato+omocha@auone.jp

お越しの予定の方は、会場準備の都合上、なるべく予約をおねがいします!

ブログ開設!

たまに更新します。よろしくお願いします!