2021年5月22日土曜日

同行二人#隅田左岸 A POETRY READING SHOWCASE XI

梅雨のはしり。2010年村田活彦さんと始めた毎年一度の朗読二人回『同行二人 A POETRY READING SHOWCASE』の11回目「同行二人#隅田左岸」が終了しました。

最初の緊急事態宣言発出直後に急遽、有観客で予定していた清澄白河のCafe GINGER. TOKYOさんからの配信ライブとなった昨年の「同行二人#言葉とともに」に続き、今年は村田さんの自宅のリビングルームからツイキャスによる配信を行い、約70名のみなさんにご視聴いただきました。どうもありがとうございます。

僕のセットリストは下記の通りです。

 2. スピードシャッター(村田活彦)
 4.
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 5. 空爆の夜(村田活彦)
10. 永遠の翌日 

ほかに村田さんが、僕の「都市計画/楽園」と "Misty" の訳詞を朗読してくださいました。撮影を担当してくれたあられ工場さんもありがとうございました。

新型コロナウィルスの影響はもちろん、ガザ地区、ヤンゴン、新疆ウイグル自治区、香港、世界情勢が同時多発的に揺れ動く渦中にあって、小さな個人にできること、すべきことを声と言葉に込めてお届けするのが今日の個人的なテーマでした。

クロージングのMCでも言ったのですが、案外普通のことしか言ってないな、と自作を振り返りつつ、普通のことの何を言うか、どう言うか、こそが詩なのだな、と感じた一日でした。

江東区永代一丁目の村田さんの自宅は、ベランダから隅田川の悠大な流れを見下ろす永代橋東詰に建つマンションの10階です。15時開演ということで、午後の明るい外光と開放的な視界の効果もあり、落ち着いたパフォーマンスができたのではないかと思います。

ツイキャスの仕様を充分理解しておらず、途中すこし中断してしまい、2つに分かれていますが、アーカイブはこちらからご覧いただけます。

同行二人として12年目の2022年、または更に先になるかもしれませんが、是非またみなさんに直接お目にかかり、電子回路越しではなく、生の声と言葉を手渡せることを願っています。それまでは同行二人の旅を止めない所存でございます。みなさまもどうかすこやかに。


2021年5月8日土曜日

ブータン 山の教室

夏日。神保町岩波ホールにて、パオ・チョニン・ドルジ監督作品『ブータン 山の教室』を観ました。

新米教師のウゲン(シェラップ・ドルジ)は幼い頃に両親を亡くし、ブータンの首都ティンプー(標高2200m)の集合住宅で、テレビを見ながらマニ車を回し続ける祖母と人住まい。オーストラリアに渡ってミュージシャンになることを夢見ているが、ブータンでも最奥地にある人口56人のルナナ村(標高4800m)の学校への赴任を命じられる。

山道を一日バスで揺られ、そこからは徒歩。山小屋は最初の一泊だけで、あとはテント泊しながら舗装されていない山道を一週間かけてたどり着いた村で大変な歓待を受ける。しかし電気もガスも水道も道路も通っていない村の学校には黒板どころか窓ガラスも歯ブラシない。

ノースフェイスのマウンテンパーカーとリュックにゴアテックスのトレッキングブーツ、iPod Classicに刺したオーディオテクニカからエレクトロニカ、ぐらい都会っ子なウゲンは、山道でも自分の悪態を聞いてもらいたいときしかヘッドホンを外さないが、数日で充電は切れてしまう。

最初は文句を言いながらも、授業や村人との交流を通じて徐々に変わっていく主人公の姿が、淡々と描かれ、別れのシーンも過剰に感情的な演出がなく好感が持てました。

主要キャスト数名以外は本当の村人が演じているということですが、子役たちがみな素晴らしいです。特に、クラス委員ペム・ザム(ペム・ザム)は、若干盛り気味に言えば『ミツバチのささやき』のアナ・トレント級の愛くるしさ。

上映館のロビーで無料配布していたパオ・チョニン・ドルジ監督のオンラインインタビューによると、村に映画館はなく、クランクアップ時に発電機を置いてきたが、その後のコロナ禍により本作の上映は実現していないとのこと。撮影隊がルナナを離れるのと入れ替えに3Gネットワークを敷設する通信会社が村に入り、いまではペム・ザムがTikTokを送ってくるそうです。

 

2021年5月1日土曜日

同行二人#隅田左岸

畏れ多くも自らを芭蕉と曽良になぞらえてオトナ系男子二人の詩の道行き。村田活彦カワグチタケシによる毎春吉例朗読二人会「同行二人」のお知らせです。

2010年春に深川から出発して谷中白山渋谷吉祥寺。2017年秋に深川に戻り再出発。田原町門前仲町を経て、昨年は清澄白河のCafe GINGER. TOKYOさんにて無観客配信ライブを開催しました。

11年目の今回も昨年に引き続き配信ライブを隅田川に架かる永代橋のたもとから全世界のお茶の間へお届けします! 

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Dōgyō-Ninin#RiveGauche
A POETRY READING SHOWCASE XI
 
日時:2021年5月22日(土) 15時開始
料金:投げ銭
出演:村田活彦a.k.a.MC長老、カワグチタケシ

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Stay Home, Stay Safe, Stay Gold, Stay Cool, Stay Together ということで、村田さんの自宅で朗読します。
  
視聴はこちらのリンクから。当日たくさんのみなさまに画面を通してお会いできることを楽しみにしています。「#同行二人」「#隅田左岸」で感想をつぶやいていただけると幸いでございます。