2009年4月26日日曜日

マック・ザ・ナイフ

今年の2月にTKレビューにゲスト出演していただいたエミ・エレオノーラさんが出演する音楽劇『三文オペラ』を観に、渋谷東急Bunkamuraシアターコクーンに行ってきました。演出が宮本亜門、主演が三上博史、他の主なキャストが、安倍なつみ、デーモン小暮閣下、田口トモロヲというメジャー感溢れるステージで、上演時間の3時間があっという間でした。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/09_sanmon/

もともとはブレヒトの戯曲にクルト・ワイルが音楽をつけ、1928年にドイツで初演されたこのお芝居の舞台は19世紀末のロンドンです。社会主義リアリズム×表現主義(若干ゴス寄り)の展開が、最後の最後の大フィナーレでどんでん返し。モーツァルトの『魔笛』並みの素晴らしきご都合主義! それが逆に現実を風刺する、みたいな深みもあり。

クルト・ワイルの音楽って、かなりアブストラクトで、レニー・トリスターノあたりにも通じる感じなのですが、平板に流れず立体的に響かせたのは、エミさんたち7人のミュージシャンの力量に拠るところが大きかったのではないでしょうか。

ところで『三文オペラ』といえば、ジャズのスタンダードにもなっている「マック・ザ・ナイフ」ですが、エラ・フィッツジェラルドの『エラ・イン・ベルリン』(1960)が子供の頃から大好きです。「暗くない短調の曲を作れるのが本物の天才」と言って、モーツァルトやポール・マッカートニーを挙げていた友人がいましたが、エラ・フィッツジェラルドはどんなマイナーキーの曲でも明るく歌えてしまう天才だと思います。 http://www.amazon.co.jp/dp/B00008KJUH/

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