2015年3月29日日曜日

日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」

再来週のソロライブの告知を下のエントリーでしていますが、今日は2月にPoemusica Vol.37で共演したmayulucaさんご出演の日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」に行ってきました。

10人限定の生音・生声・お食事付きライブということで、Poemusicaではスチール弦&ループマシン仕様のmayulucaさんでしたが、この日はガットギターと声だけ。春をテーマにした約60分11曲のセットリストです。

八分咲きの桜に細かい雨が降ったり止んだり。ガラス戸の外、阿佐ヶ谷の住宅街を、傘をさした人や傘をささない人が通り過ぎていきます。

声を張らずに淡々と流れる静謐な音楽。ガットギターの丸い音色と相俟って、森の中に迷い込んだような心地良さと微かな緊張。すべてが自然でどこにも力が入っていないのにしっかりと聴かせるのは、ギターの正確なリズムに強い意志が内在しているから。生音でもアシッドなグルーヴがきちんと伝わってくる。

硬質な歌詞とどこかとぼけた味わいのあるスキャットのミクスチャーもセンスを感じさせます。意外なカバー曲もmayulucaテイストに味付けされている。それはどこから来るのだろうと思い、好きな音楽について尋ねてみました。結局謎は解けなかったのですが、いろいろ面白いお話を訊くことができました。

終演後、そんな会話とともに供される日曜店主ノラオンナさんの手料理はどれも優しい味でした。音楽のクオリティとお料理のクオリティと。お腹一杯のふわふわした気分で帰途に着きました。

 

2015年3月21日土曜日

日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」

東京湾岸埋立地はすっかり春めいてきました。すみれ、梅、忘れな草、沈丁花、木蓮。あとはスノーフレークが咲いたら、今年の春は完成です。

カワグチタケシ8ヶ月ぶりのソロライブは、リスペクトするミュージシャン、ノラオンナさんが日曜店長をつとめる「アサガヤノラの物語」にて。完全予約制先着10名様限定の超プレミアムディナーショー! 「銀座のノラの物語」が阿佐ヶ谷にお引っ越ししてそろそろ2年。おかげさまで5回目の登場と相成りました。

JR中央線阿佐ヶ谷駅南口徒歩4分35秒「Barトリアエズ」にて。生声の朗読とノラオンナさんの絶品手料理をお楽しみください!

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日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」

出演:カワグチタケシ
日時:2015年4月12日(日)
   17時開場、18時開演、19時~バータイム
会場:Barトリアエズ 東京都杉並区阿佐ヶ谷南3-43-1 NKハイツ1F
料金:4,500円
   ライブチャージ
   5種のおかずと炊き込みご飯のアサノラ弁当(味噌汁付)
   ハイボール飲み放題(ソフトドリンクはウーロン茶かオレンジジュース)
   スナック菓子3種
   以上全部込みの料金です。

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更にご予約のお客様には、もれなくアサノラ限定カワグチタケシ訳詞集第2弾 "suger, honey, peach +love2" (CD付)を差し上げます。

バディ・ホリーからエルビス・コステロまで(似てる、笑)、甘いラブソングの名曲をカワグチタケシ訳で。先日谷中ボッサさんで開催したカバーライブ"suger, honey, peach +love"で披露した曲もいくつか入っています。

4500円は朗読会としてはちょっと高めの設定ですが、なによりお料理が素晴らしいですし(ノラさんの作る春メニューが楽しみ!)、他のライブにはない親密な雰囲気で、価格以上にお楽しみいただけることは間違いないです。

終演後には、みなさんといろいろなお話がしたいです。染井吉野から八重桜にかわる頃、春の一日を一緒に過ごすことができたら幸いです。ご予約お待ちしています!

*完全予約制、先着10名様限定です。
 ご予約は nora_onna@hotmail.co.jp まで。お名前、人数、お電話番号を
 お知らせください。お席に限りがございます。どうぞお早目に!

 

2015年3月15日日曜日

Poemusica Vol.38

下北沢 Workshop Lounge SEED SHIPのPoemusicaは、普段は第三木曜日の夜に開催することが多いのですが、38回目の今回は日曜日のお昼に。ガラス越しに昼下がりの陽光が燦々と降り注ぎ、夜のSEED SHIPとはがらりと違う趣きがあります。

開場直前は小雨でしたが、つだみさこさんが歌い始め、2曲目に入ったところで、ふわっと陽が射してきて、一気に明るい店内になりました。つださんの声は雑味がなく、どの声域も澄み渡っていて心地良い。歌詞もMCのお話も面白くて、言葉の捉え方に独特なところがあります。金子みすずの詩作品からの引用も安直なヒューマニズム方向に流されないフラットな視点があり好感が持てました。

hotel chloeのボーカル、ひろたうたさん(画像)。しわがれているのに透明感がある声は一度聴いたら忘れられません。それで、お願いして大阪から歌いに来てもらいました。ソングライティング、ボーカル、ギター、ブルースハープ。どれもがクオリティとオリジナリティを持つ。そのうえ、笑顔がキュートで、話すとチャーミングという。僕が考える男子ミュージシャンの完全体です(笑)。

スーマーさんもひろたくん同様ルーツ志向が強いのですが、方向性は異なります。その音楽は1930~50年代のトラッド/ワークソングに基礎を置いたもの。したがって循環和声進行を中心としているのですが、そのミニマリズムがどういうわけだか大層現代的に響くのです。ギターもバンジョーもタイム感が超タイトで、その辺に秘密があるのかも。そしてコーデュロイのような質感の唄声。

SEED SHIP は天井がものすごく高いわけではないのですが、声が上から降ってくるような感覚があって、今日の3人の声はその響きによく合っていました。楽屋にあるコーヒー焙煎機の煙のせいかもしれません(笑)。

僕は、「冬の旅」、"Unversal Boardwalk"より「三月」、「希望について」、「観覧車」、「Planetica(惑星儀)」の5篇を朗読しました。終演の頃にはすこし陽射しは傾きましたが、3月の暖かい午後をみなさんと過ごせて幸せでした。

4月のPoemusicaはまた木曜日の夜に戻り、大阪から今度はaccaさんが歌いに来てくださいます。どうぞよろしくお願いします!

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Poemusica Vol.39 ポエムジカ*詩と音楽の夜

日時:2015年4月16日(木) Open18:30 Start19:00
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
    世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
    03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
    yoyaku@seed-ship.com
料金:予約2,300円・当日2,700円(ドリンク代別)
出演:acca(大阪)(Vocal/Guitar/Piano)
     大関麻子(PianoSolo)
     落合大喜(Vocal/Guitar)
     オトザイサトコ(OpeningAct)
     カワグチタケシ (PoetryReading)

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2015年3月7日土曜日

同行二人 大安吉日 A POETRY READING SHOWCASE VI

村田活彦氏(画像左)との朗読二人会『同行二人』。6年目の今年は『同行二人 大安吉日』と銘打ち、吉祥寺の名店クワランカ・カフェさんにて、満員御礼で終了しました。皆様ありがとうございました。

村田さんとは年に一度だけの共演、毎春会場を西へ移して、という基本的なフォーマットを今回もしっかり全うできたことを大変うれしく思います。ご支持いただいている皆様、快く会場を提供してくださるお店、当日の運営スタッフのみなさんのおかげです。

お食事付きという初めての試みもあり、思い描いていたスケジュール通りになかなか進まず、想定外の長丁場となってしまいましたが、最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。これまた初めてのポストパフォーマンストークも楽しく終えることができました。

僕のセットリストは下記の通りです。

1. International Klein Blue
2.
3. Universal Boardwalk
**
4. コインランドリー
5. 線描画のような街
6. すべて
7. 花を育てる人へ(村田活彦)
8. 新しい感情

村田さんの前半のポエトリー・リーディングが、インテンシティとテンダネスが拮抗していて素晴らしかった。彼の「甘い言葉」の朗読を受けて、急遽オープニングに「International Klein Blue」を追加しました。

時折、階下のゆうれい居酒屋から「ヒュ~ドロドロ~」的なSEがかすかにかぶさってきて、この環境で和合亮一さん田中庸介さんが朗読したのかと想像すると、とても愉快な気持ちになりました。

今回クワランカ・カフェさんを紹介してもらい、準備段階はもちろん、当日は受付やPA、トークのMCも手伝ってくれたイタイリュウ君(左利き、画像右)には大変お世話になりました。どうもありがとう。

そろそろツアーTシャツが作れるぐらいの開催数になってきました。来年の同行二人はどこへ向かうのか。どうぞお楽しみに!


2015年3月1日日曜日

味園ユニバース

雨の日曜日。ユナイテッドシネマ豊洲山下敦弘監督作品『味園ユニバース』を観賞しました。

1年半の刑期を終えて出所した男(渋谷すばる)は、その日のうちに路上で、金属バットで殴られ記憶を失ってしまう。聞こえてきた音楽に吸い寄せられ血まみれのまま辿り着いたのは大阪のワイルドサイド恵美須町夏まつりの公園ライブ。マイクを奪い「古い日記」をシャウトして失神してしまう。バンドのマネージャー、カスミ(二階堂ふみ)が連れ帰りポチ男と名付ける。そして紐解かれる過去、蘇る記憶。ひと夏の物語。

山下監督にとっては『リンダリンダリンダ』以来の音楽映画。バンドを演じる赤犬のメンバー全員がいい味を出しています。下町の雑然とした風景、大阪人という先入観に反して登場人物に多くを語らせない演出も効果的。『探偵ナイトスクープ』や『あまちゃん』に向けたオマージュでくすりとさせ、ヒロインの入浴シーンも外さない。山下監督のこういうとこほんとに上手いな、と思います。

「しょうもな」が口癖のセーラー服姿でPAを操作するなんちゃって女子高生カスミの世界には、おじい、マキちゃん(鈴木紗理奈)、スタジオ、赤犬の4つしかない。そのどんづまり感。関ジャニ∞の渋谷すばる、虚ろな瞳で難しい芝居をよくこなしていると思います。父親の歌う「古い日記」が録音されたソニーのカセットテープCHF90のビジュアルには懐かしさで震えた(笑)。

バンドの演奏シーン以外は、ほぼ無音。街のノイズを丁寧に拾って、最小限の楽器音をまばらに配置したサウンドトラックは山下監督の大学時代の同級生、あらかじめ決められた恋人たちへ(バンド名)の池永正二氏。いい仕事をしています。カスミとポチ男が玄関先からスイカの種を飛ばしてセメントの土間に落ちる音が特に印象に残りました。