2011年5月23日月曜日

13の水

午後の激しい雨も夕方には小降りになって、下北沢のleteさんへ。triola波多野敦子さんのソロアルバム『13の水』REMASTERED EDITION リリース記念ライブを鑑賞しました。

『13の水』に収録されている全曲の収録順演奏と並行して、CDジャケットを手がけた染色家の吉田容子さんが布のインスタレーションをライブ制作していくというライブ。CDではピアノやアコーディオンが演奏するパートもtriolaのヴァイオリンとヴィオラで再アレンジされています。

元々は2003年にCD-Rで制作された『13の水』は、いまのtriolaのダイナミズムとはすこし異なり、ビートレス中心でどちらかといえばアンビエント寄りの音楽です。8年の歳月を経て、とても丁寧に大事に演奏された9曲。静かなメロディと相まって、波多野さんのロマンチックな一面を垣間見た反面、どんなにゆっくりと静かな音楽にも、正確で強靭な内的ビートの痕跡とでもいうようなものをくっきりと浮かび上がらせるのが、波多野さんと現在のtriolaの個性なんだな、とあらためて気づかされました。

純白のワンピースで、会場をふわふわと飛び回る吉田容子さんは、さながら繊維の森の妖精といったところ。triolaのふたり、波多野さんと、手島絵里子さんが着ていたのも吉田さんが染めた、繊細で美しい衣装。夕陽のような、乾いた血のような橙色は、梨木果歩の小説『裏庭』の主人公テルミィがパラレルワールドの貸し衣装屋で選んだ、それ自体が傷であり、治癒でもあるような特別な服を思い起こさせるものでした。

ちょっとセンチメンタルないい気分で帰宅して、いろいろ検索していたらこんな動画が。楽しい!

 

2011年5月14日土曜日

メイル・オーダー

気持ちの良い五月晴れの午後、ゆりかもめに乗って東京ビッグサイトへ。第33回デザインフェスタに行ってきました。お目当てはA-26ブースのatelier Bacchusこと田代幸正さん。 20世紀の終わりに、American Book Jamというリトルプレスのパーティで出会った銅版画家です。

銅版の端切れを再利用したアクセサリを当時から制作していましたが、最近はむしろそちらが本業になっているみたい。おたがいの近況など、しばし作者ご本人と談笑。爬虫類や昆虫、化石などをモチーフにした繊細な作品群を白い壁面に並べたブースには、若い女の子たちがひっきりなしでした。

デザインフェスタは明日(5/15)まで開催中です。お出掛けの予定の方はA-26にお立ち寄りください!

そして、ご報告。4月11日のエントリーでご紹介した『続・同行二人』のライヴ盤が、僕の詩集3タイトルとあわせて、古書信天翁さんから通信販売でお求めいただけるようになりました。遠方の方も是非よろしくお願いします! 詳細はこちらから⇒http://booksalba.exblog.jp/15524289/