2010年5月30日日曜日

主演女優

もうすぐ六月だというのに肌寒いですね。ヒューマントラストシネマ有楽町(シネカノンから改名したんですね)で、『パーマネント野ばら』を鑑賞。

昨年同じ劇場で、同じく西原理恵子原作の『女の子ものがたり』を観て、超ブルージィな気分になったのがよぎりました。。今回も貧困と友情がテーマなのは同じで、主演の菅野美穂と幼馴染役の小池栄子が左利き。でも前回ほどブルージィにならなかったのは、夏木マリをはじめ脇役を名優が固めていたのと、サイドストーリーがありえない展開で笑えたから。

総じて、主演女優である菅野美穂を鑑賞するための映画だと思います。監督が菅野さんを大好きなのがひしひしと伝わってきます。こういう主演女優のための映画って、悪くないと思うんですよね。吉永小百合さんとか、昔はもっと多かったんじゃないでしょうか。

あと、菅野さんの衣装がかわいかった。音楽もよかったです。

2010年5月22日土曜日

おも茶箱

あっという間に5月も後半。

←再来週末にこのイベントで朗読します。
ご来場お待ちしています!
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おも茶箱 Bilingual Poetry Collection『TOYBOX2010』完成記念朗読会

2010年6月6日(日)14:00開演
出演:かとうゆか、芦田みのり、マシュー・ジェームズ・フロメツキ、イダヅカマコト、カワグチタケシ、他
料金:1,500円(軽食付)
会場:カフェクラブ石橋亭(杉並区天沼12-5-102)tel.03-3391-6580
http://www.ogikubo.org/S35689.html

JR中央線荻窪駅下車徒歩8分、北口を出て青梅街道を向い側に渡り、左(北西)方向へ直進、四面道交差点そば。
フライヤーはこちら ⇒ http://oeo.la/Vw4s8
予約はこちら ⇒ yukato+omocha@auone.jp
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『TOY BOX 2010』に掲載している詩を、詩人による朗読でお届けします。

芦田みのりさんが編集した『TOY BOX 2010』は、日英バイリンガルコンピレーション詩集。

以下9名の詩人の執筆・翻訳によります。
Mathew James Chromecki / マシュー・ジェームズ・フロメツキ、ASHIDA Minori / 芦田みのり、KAWAGUCHI Takeshi / カワグチタケシ、FUJII Warabi / 藤井わらび、 Amy Hildreth / エイミー・ヒルドレス、Courtney Sato / コートニー・サトー、Idadsukamakoto /イダヅカマコト、Alison Nì Dhorchaidhe / アリソン・ニ・ヨーキー、KATO Yuka / かとうゆか

日英の朗読と合わせて、国外在住の詩人が動画で登場予定。めずらしいゲール語の朗読が聴けるかも。

石橋亭さんは、定期的にライブを開催しているピアノのある洋食屋さん。「軽食付」の中身も楽しみです。

2010年5月3日月曜日

見切れています。

憲法記念の日、『広重「名所江戸百景」の世界』展を見に、ラフォーレ原宿の真裏にある太田記念美術館へ。玄関で靴を脱いで上がる、浮世絵専門の美術館です。

昨年、詩の教室でポーランドのノーベル賞詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカを紹介したのですが、彼女の詩「橋の上の人たち」が、歌川広重の「名所江戸百景」のなかの一枚「大はしあたけの夕立」を題材にしていたところから興味を持ちました。ワルシャワ経由で江戸を知る、みたいな。で、今回展覧会が開かれているというので、その作品が展示される後期の入れ替えに合わせて出かけました。

すごいものを見ました。いまで言えばA4サイズ程の作品が五十数枚。季節ごとに並べて展示されています。何がすごいって、構図がすごいです。上の画像は、三月に「同行二人」を開催させてもらったそら庵さんに行く途中に渡った「深川万年橋」(今は鉄骨の橋)なのですが、橋の上に置かれた手桶の持ち手に愛玩用商品の亀がぶら下げられていて、その向うに万年橋の欄干、さらに先には富士山が見えます。手桶も見切れていれば、亀も、欄干も見切れているという。

見切れているからこそ逆に、風景はA4サイズを大きくはみ出し、無限の広がりを感じさせます。1850年代の江戸ですから、カメラを見たことなどないはず、なのにこの写真的発想はどこから来たのでしょう。

この構図を考えたのは歌川広重ですが、それを支え作品化した版元、彫師、摺師という職人たちの名前は残っていません。残ってはいませんが、その確かな技術が作品を後世に残してくれたおかげで、僕たちは素晴らしい芸術を享受することができるのです。

そして、夕方から丸の内に移動して、、『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010』2日め。今日は公演No.215、Aホールで、モーツァルトのレクイエムを聴きました。指揮者は大ベテランのミシェル・コルボ

39歳で亡くなったショパンの遺言により葬儀で演奏されたというモーツァルトのレクイエムは、昨日とは対照的に濃密で彫りの深い演奏でした。ショパンもポーランド人。なんか今日はそういう日みたいです。
 

2010年5月2日日曜日

1955年生まれ

ようやく季節が暦に追いついてきました。初夏の午前中、松屋銀座で開催中の『ゴーゴーミッフィー展』へ。

百貨店の催事場なので小ぢんまりしてはいますが、充実した展示に満足しました。ミッフィーの原画の、線や色彩をどんどん削ぎ落としていく製作過程。眼の位置を0コンマ数ミリずらすだけで、視線の向きを変える技術。本物はやはりすごいです。

作者のディック・ブルーナ氏は絵本作家になる前に、父親の出版社で出していたブラックベア・シリーズというペーパーバックの装丁を2000冊以上手がけたそう。「メグレ警部」シリーズのオランダ語訳など、この現物も美しく、とても刺戟を受けました。いまちょうどプリシラ・レーベルの次回作として、井上久美さん作のドローイングと写真入り旅行記の装丁作業中なもので(こちらもお楽しみに!)。

若くみえますが、うさこちゃんは1955年生まれの55歳。そのお誕生日をみんなでお祝いしましょうということで、たくさんの日本人アーティスト/クリエイターのオマージュ作品が展示されていました。和田誠さんの作品が原画のフォルムを活かしながら、和田さんの色彩になっていて、印象に残りました。

午後は東京国際フォーラムに移動して、『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010』。 公演No.143、Cホールで、フンメルのトランペット協奏曲とモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」を聴きました。今年のテーマは「ショパンの宇宙」なのですが、天邪鬼ですみません。。

ウィルソン・ヘルマント指揮、パリ室内管弦楽団、ソリストはフランス人のロマン・ルルーという巨漢。若いアジア系アメリカ人の指揮するモーツァルトは、テキパキとしていながら細部にまで神経の行き届いた、小気味良い演奏でした。