2009年10月17日土曜日

Evergreen Knee-High Revue

一昨年秋から小森さんと始めたTKレビューの第4回「エヴァーグリーン・ニーハイ・レビュー」。今回はすこし趣向を変えて、谷中芸工展の一環として、谷中在住の伝説的詩人、岸田衿子さん(*)にトリビュート。衿子作品と自作を織り交ぜて朗読します。

ゲストは第1回に続いて再登場の石渡紀美さんです。

◇石渡紀美(イシワタキミ)
詩人。埼玉県桶川市在住。しっかり地に足が着いていながらどこまでも自由な人。

◇小森岳史(コモリタケシ)
ダブルタケシのデカいほう。最近ネット古書店を開業。
http://trixis.shop-pro.jp/

◇カワグチタケシ(カワグチタケシ)
ダブルタケシのちっちゃいほう。最近岸田衿子詩集を全冊コンプリート。

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第17回芸工展参加企画
DOUBLE TAKESHI PRODUCTION PRESENTS T.K.REVUE04
TRIBUTE TO 岸田衿子
Evergreen Knee-High Revue
エヴァーグリーン・ニーハイ・レビュー

2009年10月24日(土)18:00開演
出演:石渡紀美、小森岳史、カワグチタケシ
料金:1000円
会場:古書ほうろう(東京都文京区千駄木3-25-5)   
    tel.03-3824-3388     

会場の地図はこちら↓
http://www.yanesen.net/horo/about/
東京メトロ千代田線千駄木駅2番出口を地上に出てそのまま左に7~8分。JR山手線日暮里駅からの道のりも楽しいです。
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岸田衿子 (キシダエリコ)
1929年東京生まれ。詩人・童話作家・作詞家。女優の故岸田今日子の姉。最も世に知られた仕事はカルピス名作劇場の主題歌の作詞かもしれません。『フランダースの犬』『アルプスの少女ハイジ』『あらいぐまラスカル』『赤毛のアン』も衿子さんの作詞です。小さいころ絵本で出会った方も多いのでは。 一年の半分以上を浅間山麓に暮す「森ガール」の草分け的存在(!)。

当日は谷中芸工展という地域のアートイベントの開催期間中で、古書ほうろうさんのご近所のギャラリーやカフェでもたくさんの催しがあります。秋の下町散策を兼ねて、是非ニーハイでご来場ください!

2009年10月11日日曜日

タータン・メイツ

東京湾岸はキンモクセイの香りで満ちています。新横浜の日産スタジアムでサッカー日本代表vsスコットランド代表を観戦しました。

試合とか新召集選手とかもですけれど、実は今回一番楽しみにしていたのがスコットランド代表サポーターのファッションです。 というのも、1998年フランスW杯にスコットランドが出場したとき、ゴール裏スタンドを占拠した民族衣装の一群が衝撃的で、それを日本で生で見られる機会はそんなにない!ということで。

スコットランドの民族衣装といえばタータンチェックのキルト、男性の巻きスカート姿ですね。キャンディ・キャンディの丘の上の王子様みたいな。

乗り換え駅の中目黒でさっそく向かい側ホームを出て行く東横線急行にそれらしき姿を見つけました。新横浜駅やスタジアムのコンコースにももちろん。そりゃまあ、地元日本人サポーターに比べたらわずかな人数ですが。

元々タータンチェックというのは、日本の家紋と同じで、家系によって織り柄が異なり、それぞれの柄に家名がついているものなのだそうです。代表チームのユニフォームがネイビーなので、濃紺や深緑をベースにしたチェックのキルトを履いている人が多かったのですが、他にもオレンジ色や朱色のもあってとてもきれい。

トップスはほとんどがユニフォームかTシャツで、正装の人はひとりしか見つけられませんでした。足元はハイソックスにギリー靴が正式なのですが、トレッキング・ブーツが人気みたいで、そのバランスもなかなかかわいいです。

でもね、スコットランド人ってとにかくデカくてゴツいんですよ。駅とかで隣り合うと。ま、そのギャップも含め。

試合は、プレイも応援も代表戦らしく大味でした。レフェリーとボールパーソンはよかったと思います。

2009年10月3日土曜日

すべて支那人は明後日の新聞の愛読者です。

雨が降ったり止んだりの土曜日の昼下がり、 PARCO劇場で『中国の不思議な役人』を観劇しました。 寺山修司の戯曲を白井晃が、アングラテイストは残しつつ、すっきりポップなミュージカル活劇にリメイク。

2月にTKレビュー3で共演させていただいたエミ・エレオノーラさんが、上海中のあらゆる本から「私」という文字を切り抜いてしまう肺病持ちの娼婦という、寺山ならではのキャラを華やかに演じています。

舞台美術は天井桟敷の小竹信節。竹ひご細工とか割り箸ピストルを巨大化したようなウッディーな可動からくり装置が、男子の工作ゴコロをくすぐります。

そんな舞台の上で動いている人たちを眺めているのはそれだけで楽しいことですが、今回は役者さんとダンサー(舞踏家)たちの動きや立ち姿の違いを観察しました。エミさんはそのどちらでもなく、エンターテイナーという感じ。カーテンコールのおじぎの仕方とか。

舞台にいる時間はそれほど長くはないのですが平幹二郎の圧倒的な存在感。女衒役の岩松了もナイス・キャスティング。夏未エレナ演じる主人公花姚の兄、麦役の田島優成くんは瑛太と森山未來と田中圭のいいとこどりしたみたいにチャーミングな若手俳優。今後要注目ですね。

終演後、楽屋口にてエミさんにシングルモルト・ウィスキーの差し入れ。出演者と関係者とでごったがえしていました。

2009年9月28日月曜日

再会

ユナイテッドシネマ豊洲で是枝裕和監督の『空気人形』を観ました。板尾創路演じる中年のファミレス店員が所有する旧式のダッチワイフが、心を持ってしまうというR-15指定のお話。ペ・ドゥナが人形役を終始愛くるしく演じ、それだけでスクリーンいっぱいに幸せが溢れます。人形なのでつなぎめがあるのですが、shu uemuraに行ってコンシーラーで消してもらったり。 空気栓はおへそです。吉野弘の『生命は』を拙い日本語で朗読するのもチャーミング。

登場人物がことごとく孤独なのが切ない。

板尾さんの部屋は月島あたりの設定だと思いますが、変にガーリィなインテリアが変です。ピローケースがマトリョーシカ柄。

人形職人役のオダギリジョーも出番は短いのですが、とてもいいお芝居をしています。

ペ・ドゥナとは、25歳で韓国から留学してきた女子高生役を初々しく演じた『リンダ・リンダ・リンダ』以来、ARATAとは、こちらも27歳で男子高生役を演じた『ピンポン』以来の再会でした。

2009年9月26日土曜日

裏庭朗読会

以前3K11というポエトリー・リーディングで共演した女子三人組リーディング・ユニットのワニラが主催するオープンマイクに行ってきました。会場は白山にある映画館という名のJAZZ喫茶、こちらにもいつもお世話になっています。

ワニラの三人(嘉村奈緒イシダユーリ小夜)はそれぞれソロでも活躍中ですが、久しぶりに聴いた三人揃ったワニラの朗読がよかったな。それと今回MCを担当した奈緒ちゃんの進行が素晴らしかった。

他には、ササダさん?というウィリアム・サロイヤンを読んだベリーショートの女の子、伊津野重美さん、ジュテーム北村氏の「裏庭組曲」、キキさんの『赤毛のアン』などが印象に残りました。

僕は、20年がかりで最近ようやく詩集をコンプリートした岸田衿子さんの『忘れた秋』から無題のソネット、『らいおん物語』から「音無姫」を朗読しました。

『ココ・アヴァン・シャネル』を観たので、張り切ってボーダーのシャツを着て出かけたら、ジュテさんとユーリもボーダーで、三人並ぶとなんか変な感じに。。
帰りの地下鉄では猫道くんとお話しして、いい刺戟を受けました。どうもありがとうございます。

2009年9月22日火曜日

再会

丸の内ピカデリー2で『ココ・アヴァン・シャネル』を鑑賞。題名の通り、修道院に引き取られてから、世界的ファッションデザイナーになる手前までのココ・シャネルの物語(日本で言ったら明治⇒大正⇒昭和、亡き祖母と同世代ですねー)。久しぶりに、フランス映画らしいフランス映画を観ました。

貧しい階級の出身で、社交界で差別的な扱いを受けた主人公のモチベーションは、富と名声を得ること。そのことで自分の居場所を獲得すること。

女性を解放し、自立させたとされる、婦人服の意匠に関する彼女の革新は、背広や漁師のボーダーシャツ、ジャージのスポーツウェアなど、紳士服のコンセプトを転用したもの。階級の壁を越えるためにヒットさせた新しいファッションの買い手は、結局富裕階級の女たちだったこと。

二重のアイロニーを主人公役のオドレイ・トトゥが抑えた演技でうまく表現しています。『アメリ』 以来8年ぶりの再会と思ったら、5年前に『ロング・エンゲージメント』を観ていました。印象薄い。。

衣裳はどれもステキでした。特に最初のシーンの子役が着ている重そうなウールのフード付きポンチョ。仮装パーティでココが着るボーイッシュな黒のパンツスーツ、バルザンのヘリンボーンツイードのスリーピースも好き。

2009年9月13日日曜日

夏の陣

秋ですね。秋ですが、麻のシャツを着て、ユナイテッドシネマ豊洲に「サマー・ウォーズ」を観に行きました。今年度暫定マイベストムービーにします。公開からずいぶん経つのに、いつもガランとしたシネコンが満員でした。

ちょうど前日のNHKトップランナーが細田守監督で、ロケハン時の駅弁の写真が映ったのですが、それがそのままアニメ化されていたり、別の楽しみも含めて。なんかそういうのってタイミングですよね。

ハッキングによってサイバースペースの秩序が破壊され、現実世界の公共インフラに影響が出ているときでも、高校野球の試合は何事もないかのように進んでいく。一方で、世界中のどこにいても力を合わせて何かを成し遂げることができる。

クライマックスの戦闘シーン(肥大化した人工知能vs和風美少女)では、日本の伝統的なカードゲームである花札で決着を着けます。劇場パンフに「こいこい」の役の解説が載っています。映画を観てパンフレットを買ったのは何年ぶりだろう。。

ジャパニメーションの様式美に則り、ヒロインの入浴シーンがちゃんと入っているのも好印象。お座敷ショットのフレーミングが小津映画ばりのローアングルなのは、仮想世界OZとかけているのかな。

声優陣では、佳主馬役の谷村美月が好演しています。仲里依紗もよかったな。 いい映画を観ました!