2024年6月1日土曜日

ジョン・レノン 失われた週末


メイ・パンは1950年ニューヨークのスパニッシュハーレムでクリーニング店を営む移民の両親の元に生まれた中国系アメリカ人。ザ・ビートルズが設立したアップルレコードの子会社のNY支社に19歳で入社し、持ち前の社交性を活かして広報担当者となった。

その後、英国に戻ったジョンヨーコに請われて個人秘書になる。ここからメイは運命に翻弄される。ジョンが他の女性と浮気しセックスするのを見たヨーコが別居とメイがジョンの恋人になることを命じた。本妻が自身の意思で関係を終わらせることができると考えた公認の愛人である。10歳年上のジョンに恋愛感情を持っていなかった22歳のメイは固く拒んだが、結局ジョンとLAで暮らし始める。

1992年に出版されたメイ・パンの自叙伝の映画化は、ドラマ作品ではなく、現在の作者と関係者のインタビューと当時のプライベートフィルムとスチール写真で構成されています。メイ側の視点のためオノヨーコは冷酷な雇い主として描かれており、当然反論もあるかと思いますが、僕にはメイとジョンの18ヶ月のロマンチックな純愛物語に見えました。

前妻シンシアと長男ジュリアンがジョンと和解するのも、リンダポール・マッカートニーがジョンと再会するのも、メイと暮らしていたLAでのこと。メイとジュリアンは現在も親密な関係性を築いているとわかるラストシーンの抱擁には心温まります。

ジョンがメイに贈ったイラスト群は心からの愛が感じられます。なによりも動画や写真に残っている1972~73年の眼鏡をかけたメイの笑顔がどれも明るく生命力に満ち溢れ生き生きと輝ていてとても魅力的でした。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿