2019年10月4日金曜日

あなたとわたしの間に流れる

10月最初の金曜日の夜、井の頭線に乗って吉祥寺まで。MANDA-LA2で開催されたmueさんのワンマンライブ『あなたとわたしの間に流れる』に行きました。

予定の19時半から約10分押しでタカスギケイさん(g)、市村浩さん(b)、RINDA☆さん(per)の3人が登場。mueさんのグルーヴィなピアノに先導され、心を使ってこの世界を見る、と歌う「パラダイス」から。2曲目は「笑ってほしい」(言いたいことは全部言っておきたい性格)。

毎年4月11日に同じMANDA-LA2ワンマンライブをしているmueさんバンドメンバー毎年変わりますが、2019年4月の顔ぶれでの再演のリクエストを受け、秋に同じ4人でワンマンを開催することが発表されたのは『その先のうた』の直後のことでした。

普段弾き語りスタイルで演奏しているミュージシャンがバンドセットのワンマンライブをするのはよくあることですが、mueさんは実に興味深い人選をするなあ、と常々感じていました。mueさんが実現したい音楽のビジョンがあり、そのビジョンが緩やかに変化している。それは彼女の内面にだけ存在し明確に言語化されることはないが、メンバー選びとライブ本番でアウトプットされる音楽にしっかり反映している。

明確に言語化できないが故の自信なさげなMCに反して、演奏と歌声から我々が受け取るのは確信に満ちた心地良さです。

RINDA☆さんのパンデイロとスルド、市村浩さんの5弦ベース、タカスギケイさんのギターは、いずれも手数、音数の多いアレンジになっており、レースのように繊細なテクスチュアで会場の空気を包み込み、mueさんの柔らかく澄んだ声と溶け合って客席に多幸感が満ちる。僕はmueさんの音楽に恋しているし、これからもしつづけるのだと思います。

春のワンマンの細部まで作り込まれたショーに比べて、1曲毎に込めた思いを口にしながら緩く進行する、よりインティメイトでリラックスした雰囲気。今夜初披露の2つの新曲をはじめ、バンドセットではレアな選曲も多く、コアなファンにとってもお得感満載のライブでした。

 

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