今年も4月11日は吉祥寺で。MANDA-LA2で開催されたmueさんの活動14周年ワンマンライブ『なんにもないになる』に行ってきました。毎年同じ日に同じ場所で歌うこと。シンプルなタスクですが、どのライブでも何かしら必ずチャレンジするmueさんのこと、退屈なものになるわけがありません。
一昨年はドラムス、ベース、チェロとのカルテット編成、一転して昨年は完全ソロ。今回はタカスギケイさん(g)、muupyさん(per)、伊賀航さん(b)、橋谷田真さん(dr)とクインテット。
バンドの抑制されたクールなグルーヴに乗せるmueさんの歌声がいつになく力強く、歌詞がストレートに届く。「こうして待ち続ける時間にも世界は動いている」(くもの糸)、「明日になればどんなことだってただひとつの話」(ほんとうの夢をおしえて)。
彼女の歌詞は何気ない生活雑感を描いているようで実はところどころにリアリスティックな時間論、空間論がちりばめられている。内面的な逡巡から離れる瞬間のちょっとだけ身体が浮かぶような感じを、ラフなセッション風でありながら全く隙の無い成熟したバンドサウンドが上手に掬い上げて表現しています。
めずらしいハンドマイクスタイルでウッドベースとギターをバックに歌い上げた2曲のジャズスタンダード、"Spring Can Really Hang You Up The Most"、"On The Street Where You Live"は、2月のカバーライブ"sugar, honey, peach +love" を更に発展させたmueさんの新しい魅力を発見してときめきました。
「なんにもないってことは、なんにでもなれる。だからみんなもなんでもやってみよう!」。うん、僕もそうしよう! と前向きな気持ちになりました。
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