mue the 15th anniversary 『さあ、どこへ行こうか?』。去年共演回数が一番多かったのがmueさん(画像)。毎年4月11日に吉祥寺MANDA-LA2で開催される周年ライブに参加するのも4回目です。本当に美しく、束の間現実を忘れさせてくれる夢のようなライブでした。
15年の音楽活動の集大成でもあり、新しいチャレンジの場でもあるこの日。熊谷大輔さん(dr)と伊賀航さん(b)の寸分の狂いもないのに柔らかなグルーヴに、タカスギケイさんのギターが色彩を添え、muupyさん(per)が遊び心を散りばめる。
バンドサウンドと一体化して歌うmueさんは、ソロやデュオ演奏時にも増して、音楽をのびのびと楽しんでいるように見えます。『ガラクタの城』で切り開いたローファイな小曲群をループとパンデイロで弾き語ったあと、再びバンドセットに戻り、アンビエントな拡がりのある「Like A Wheel」から「ほんとうの夢を教えて」への流れはお見事でした。多様なアレンジで何度も聴いた「東京の夜」も今回がベストパフォーマンスだったと思います。
毎年同じ日に同じ店で同じミュージシャンの演奏を聴く。去年の今頃は、一昨年は、3年前は。と、自然と我が身を振り返ってしまいます。僕が知っているのはmueさんの15年のキャリアのうち4年だけですが、歌っている当人にも、客席のひとりひとりにも、良いことも悪いことも、おのおの去来するものがあり、それがうねりとなって、会場全体を大きな愛で満たしているように感じました。
長い旅に出るため、この日を節目に1年間ライブを休止するmueさんですが、しばしの名残りを惜しむように3度のアンコールを送った我々観客の誰一人としてその帰還を疑う者はいません。どうか良い旅を。そして旅の話を歌にしてまた僕らに聴かせてください。
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