2019年4月11日木曜日

その先のうた

三日月が高い空に輝く金曜日。吉祥寺MANDA-LA2へ。mue弾き語り18周年記念ワンマンライブ『その先のうた』に行きました。毎年4/11に開催されるアニバーサリーライブに2013年から皆勤しています。

mueさん(Vo/Gt/Pf)が今年の特別な日に選んだメンバーは、タカスギケイさん(Gt)、RINDA☆さん(per)、市村浩さん(B)の3人。ツインギターのドラムレス・カルテットです。

その時々で表現したい音楽に合わせたアンサンブル。今年はRINDA☆さんのパンデイロが超効果的。サンバやボッサはもちろん、ロックンロール、ラテン、ジャズ、mueさんの音楽が持つ多彩なリズムを広い音域と正確な技術と満面の笑顔で支える。

冒頭2曲の新曲はめずらしくオーソドックスな8ビート。ポップな表情を堅固で複雑な土台に乗せる印象が強いmueさんのソングライティングが、シンプルにそぎ落とされてきた。いろいろな環境変化や経験の積み重ねによって自己肯定感が高まってきたのかな。

「みんなで力を合わせて最高の夜にしましょう」というMCの「みんな」にはバンドメンバーやスタッフだけではなく我々観客が含まれているし、「答えもないままわかりあう」という歌詞にもそれを感じる。そしてなによりmueさん自身のコンディションが心身共に充実しているように思えました。

「宇宙の生活」の文字通りスペイシーな拡がり。「輪郭のない自由を知る」のアウトロのアチェレランドのサイケデリックな高揚感。確かな技術を持つ4人が共感力の高いミュージシャンシップを発揮し、ずっと弾き語りをしていたmueさんが、はじめて自分の曲がバンド演奏されたときに感じた多幸感を、十数年の時を経てなおフレッシュな状態で我々観客に伝えてくれる。年に一度の幸せな夜がずっと続きますように。

 

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