2019年10月6日日曜日

アジア オーケストラ ウィーク 2019

小雨降る日曜日。新宿中央公園のダイバーシティパーク2019をちょっとだけ覗いて、徒歩で初台まで。

東京オペラシティで開催している令和元年度(第74回)文化庁芸術祭主催公演 アジア オーケストラ ウィーク 2019 東京公演の2日目に行きました。

アジアの各都市からオーケストラを招くこの意欲的なプログラムに参加するのは、2014年2018年に続いて3度目です。

香港シンフォニエッタ
指揮:イップ・ウィンシー(葉詠詩)
ヴァイオリン独奏:ツェン・ユーチン(曾宇謙)
ダンス・語り:ウーカン・チェン(陳敏兒)
ダンス:ウォン・マンチュイ(黃磊)、ジェイ・ジェン・ロウ(劉傑仁)、白井剛

ロ・ティンチェン(盧定彰) / オータム・リズム
モーツァルト / ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219「トルコ風」
ストラヴィンスキー / 兵士の物語(バレエ付)

1曲目のロ・ティンチェンは1986年香港生まれの新進作曲家。オータム・リズムはジャクソン・ポロックの同名の絵画作品にインスパイアされ香港シンフォニエッタのために書かれたとのこと。チェロの低音弦の細かいパッセージから未来派風のリズム、管楽器に息を吹き込む音程のない音でホワイトノイズを表現する。アジア人女性指揮者の先駆けともいえるイップ・ウィンシーが木管アンサンブルの精緻な響きを引き出しています。

モーツァルトは、台湾出身の25歳ツェン・ユーチンのヴァイオリンの光沢感、若々しい躍動感がまぶしい。オケも管楽器が若干前に出ている感はありましたが、終始安定した演奏でした。全体にゆったりしたテンポで、2楽章は特に遅め。たっぷり間をとって美しい音色を聴かせようという意図の感じられるものでした。

ストラヴィンスキーは、ヴァイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、コルネット、トロンボーン、打楽器の7名編成にダンサーが4人(男3、女1)。そのうちのひとりウーカン・チェンが中国語のナレーションというよりも詩的な韻文を語る。バレエ付という紹介でしたが、スポークンワーズに乗せたコンテンポラリーダンスという趣向で、前2曲は深く腰掛けて大人しく聴いていた小学校低学年の女の子が乗り出して舞台に釘付けになっていたのが印象的です。

香港市内は現在デモ隊と警察の衝突による緊張状態が続いています。そんなときにクラシック音楽なんてどうなの、という意見もあるかもしれません。しかしながら自由で平和な日常を守るために抗議をしている彼らのために、音楽の流れる日常の継続を支援するのも、僕らにできることのひとつではないかと思います。

 

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