一昨年は12月16日、昨年は12月21日に開催された同公演が今年は11月に。クリスマスのホーリーな気分にはまだすこし早いですが、その分ファンキーでグルーヴィな現代ゴスペルの魅力が詰まったステージになったと思います。
1曲目は「すでに受けたと信じます」。マルコ福音書をサンバのリズムに乗せて「祈り求めるものはすでに受けたと信じます/そうすればその通りになる/そう言えばそうなる」という信仰に対するポジティブなメッセージを歌う。ミサの終わりに唱えられる「アーメン」と同義です。
転じて2曲目の「I Am The Way」はキリスト目線。礼拝室の入り口で配られた明治メルティ・キッスに同封されたカードに書かれた「イエスは彼に言われた。『私が道であり、真理であり、いのちなのです。私を通してでなければ、だれひとり父のみもとに戻ることはありません』(ヨハネ福音書第14章5節)。
3曲目の「山上の垂訓」はマタイ福音書より。中学の後輩でもある敬愛するミュージシャンのmueさんは、4人のソリストのひとりとして、澄んだ歌声で普段のガットギターの弾き語りとはテイストの異なるソウルフルでパワフルな歌唱を聴かせます。
ハイテンションな4人の Master Of Ceremony によってテンポよく進行する約2時間、全19曲のショーは、堀木健太さん(Ba)、永井開さん(Key)、粟野耀太さん(Dr)、木村裕太さん(Gt)の緩急のある見事な演奏と、レギュラーチームに加え、教会のワークショップやメンズ、キッズクワイア、HIPHOPダンス、尾山牧師夫妻によるスキットなど、平板にならない工夫が凝らされています。
一昨年、昨年は、音楽のグルーヴを心底楽しんだ一方、歌詞に登場するキリスト像について、戸惑いを感じる部分があったのですが、2歳から12歳のキッズクワイアがみずから作詞し歌った「What A Wonderful God We Serve」の「神様のことば信じて讃えよう/わたしたちの罪を許すために/イエスさまを送ってくれた」という歌詞を聴いて、自分の中に納得できる糸口を見つけることができたように感じます。
三位一体説をどう解釈するか。神と子と精霊は一体ではあるが三位なのだ。ゴスペルナンバーに登場する「神さま」というイディオムも多様であり、全能のヤハウェを歌うものもあれば、懊悩するイエスを歌うものも、自らの内面にある神性を歌うものもある。70名超のクワイアが、Master Of Ceremony、バンドサウンド、300名近い観客と一体になった強烈なバイブスに身を委ねながら、そんな思考を巡らせていたのです。


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