昨年に引き続きmueさんご出演のクワイヤ(聖歌隊)を教会の礼拝室で聴いて、ポジティブなバイブスに打たれました。というよりむしろ打たれに行きました。
"We've Come To Praise" のグルーヴィなビートに乗り、走って登場した約70名の男女混声クワイヤが、テンションMAXのMaster Of Ceremonyの指揮で、生バンドと一体になり、パワフルにぶちアゲる。アフリカ系アメリカ人由来のゴスペル・クラシックに加え、日本語詞のオリジナル曲も交え、クラップはひたすら裏拍。とにかく盛り上げます。
「賛美します」と曲紹介し、ステージ後方のスクリーンに投影される歌詞と翻訳は神への愛、感謝、賞讃、献身。2024年のサブタイトル "Hope and Future" はユダヤ民族のバビロン捕囚を描いたエレミア書29章11節「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。―主の御告げ― それはわざわいではなく、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ」より。
詩の教室の講師をしていたときに、象徴派詩人の作品理解のために聖書は多少読み込みました。ここで言う「主(Lord)」はダヴィデであり、エホヴァ(ヤハウェ)であり、イエスである(三位一体説に基づく)のは理解しているのですが、現代的な評伝として再解釈された新約聖書物語に描かれるイエスの一筋縄ではいかないパーソナリティに肩入れしてしまっているので、やはりギャップは感じます。
しかしながら、そのギャップを跳ね返すビートやグルーヴを19~20世紀の被虐の民が強靭に磨き上げた結果が現代のゴスペルだとすると納得せざるを得ないし、それが音楽の力だとも思うのです。同様に、HANAさんのHIPHOPダンスはエンタメ要素だけではなく、歌詞という言語表現を超えた身体性による祈りを体現していると感じ、「とりなし(他人のために祈ること)」のお話もすっと入ってきました。
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