終戦記念日。蝉時雨。新宿武蔵野館で『ジゴロ・イン・ニューヨーク』を観ました。ウディ・アレンが出ているし『ミッドナイト・イン・パリ』『恋のロンドン狂騒曲』『ローマでアモーレ』に続く地名シリーズ4部作かと思いきや、ジョン・タトゥーロ監督脚本主演作品です。
舞台はNYCブルックリンのユダヤ人居住地域。古書店の三代目マレー(ウディ・アレン)は店を閉じることに。かかりつけの皮膚科のドクター(シャロン・ストーン)に男を紹介して欲しいと言われ、つい「いい男がいるが安くない。1000ドルだ」と答えてしまう。そこで白羽の矢が立ったのは、かつてマレーの古書店に強盗に入り、いまは生花店でバイト中の友人フィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)。彼がジゴロとして非凡な才能を発揮し、ふたりは「ヴァージル&ボンゴ」というユニット名で荒稼ぎする。
しかしフィオラヴァンテは、厳格なユダヤ教徒の未亡人アヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)と本気の恋に落ちてしまう。そのことで窮地に陥ったヴァージル&ボンゴの運命や如何に。
原題は"Fading Gigolo"。色褪せつつある、黄昏の、消えゆくジゴロ。
秋のニューヨーク郊外の風景が美しく、上品なジャズがよく似合う。ジゴロ役のタトゥーロは聞き上手でよく気が利いてセクシーだし、ウディ・アレンは神経質で落ち着きがない。ベテラン俳優達のいぶし銀の技が光る、大人のオフビートコメディです。ジューイッシュ・コミュニティの独特な風習も「へぇ、こんなんなんだあ」と興味深い。
シャルロット・ゲンズブールと並び、1990年代にはフレンチロリータの代表格だったヴァネッサ・パラディも40代に。成熟した大人の女性にちゃんと変貌しているのは、若さに拘泥しないお国柄を反映しているのでしょうか。でも挿入歌の唄声が往時のままで、そのギャップには心臓を鷲掴みにされました。
2014年8月15日金曜日
2014年8月14日木曜日
Kitchen Table Music Hour vol.3
満員御礼だった7月のKitchen Table Music Hour vol.2に続いて、とんとんとんとvol.3を開催します。僕が普段自宅や移動中聴いている音楽を「いかがですか」と、親しい人たちに丁寧に手渡すような小さな音楽会。僕は出演せず、企画とプロモーションのみで。
まえかわとも子さんとmueさん。ブラジル音楽をベースとして独自の表現を広げてきた才能溢れる二人と共に、秋の午後のひとときをお楽しみいただけたら幸いです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
カワグチタケシ presents "Kitchen Table Music Hour vol.3"
日時:2014年9月27日(土) Open 15:00 Start 15:30
出演:まえかわとも子 歌とギター
mue 歌とギター
会場:JAZZ喫茶映画館
〒116-0013 東京都文京区白山5-33-19
03-3811-8932 http://www6.ocn.ne.jp/~eigakan/
料金:無料(1drink order)+投げ銭
※会場の地図はこちら
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
*まえかわとも子(画像)
オルタナボッサトリオ "The Xangos" のボーカル、たきびバンド、ベーシスト沢田譲治とのデュオ「カツヲ」等。CD "roda" The Xangos、「冬の街」まえかわとも子、他。横浜生まれ大磯在住。⇒YouTube「夜明けのサンバ」
*mue
ギター弾き語りと並行して、ら・ら・ら、FUTTONG×mue、irodori?等、多くのミュージシャンとユニット活動をしている。CD「Closet」「タイムカプセル」etc.. 千葉生まれ東京在住。⇒YouTube「東京の夜」
■JAZZ喫茶映画館
都営地下鉄三田線白山駅下車A3出口裏徒歩1分。1978年開店の老舗ジャズ喫茶。マスター手作りの真空管オーディオシステムとネルドリップコーヒー。壁にはヌーベルバーグのポスターと沢山の振り子時計がチクタク鳴っている。猫もいます。
"Kitchen Table Music Hour"は投げ銭制ですので、ご予約は不要です。おしまいまで聴いても夕飯のお支度に間に合う設定になっています。お誘いあわせの上、是非いらしてください!
まえかわとも子さんとmueさん。ブラジル音楽をベースとして独自の表現を広げてきた才能溢れる二人と共に、秋の午後のひとときをお楽しみいただけたら幸いです。
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カワグチタケシ presents "Kitchen Table Music Hour vol.3"
日時:2014年9月27日(土) Open 15:00 Start 15:30
出演:まえかわとも子 歌とギター
mue 歌とギター
会場:JAZZ喫茶映画館
〒116-0013 東京都文京区白山5-33-19
03-3811-8932 http://www6.ocn.ne.jp/~eigakan/
料金:無料(1drink order)+投げ銭
※会場の地図はこちら
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*まえかわとも子(画像)
オルタナボッサトリオ "The Xangos" のボーカル、たきびバンド、ベーシスト沢田譲治とのデュオ「カツヲ」等。CD "roda" The Xangos、「冬の街」まえかわとも子、他。横浜生まれ大磯在住。⇒YouTube「夜明けのサンバ」
*mue
ギター弾き語りと並行して、ら・ら・ら、FUTTONG×mue、irodori?等、多くのミュージシャンとユニット活動をしている。CD「Closet」「タイムカプセル」etc.. 千葉生まれ東京在住。⇒YouTube「東京の夜」
■JAZZ喫茶映画館
都営地下鉄三田線白山駅下車A3出口裏徒歩1分。1978年開店の老舗ジャズ喫茶。マスター手作りの真空管オーディオシステムとネルドリップコーヒー。壁にはヌーベルバーグのポスターと沢山の振り子時計がチクタク鳴っている。猫もいます。
"Kitchen Table Music Hour"は投げ銭制ですので、ご予約は不要です。おしまいまで聴いても夕飯のお支度に間に合う設定になっています。お誘いあわせの上、是非いらしてください!
2014年8月2日土曜日
思い出のマーニー
ジブリ映画は夜の最終回に観るのが好きです。ユナイテッドシネマ豊洲で米林宏昌監督作品『思い出のマーニー』を鑑賞しました。
杏奈(声:高月彩良)は札幌在住、ショートカットの中学1年生。幼い頃両親を事故で亡くし、施設で暮らした後に里親(松嶋菜々子)に引き取られたが、自分にも周囲にも同化できないでいる。夏休みのすこし前、呼吸器系疾患の転地療養で訪れた釧路湿原で金髪の美少女マーニー(有村架純)と出会う。
「またわたしを探してね。それから誰にも言わないで。約束よ」、「自分の絵を描いてもらったのは初めてよ。わたし今までに会ったどの女の子よりあなたが好き」。
干潮時には歩いて渡れる湿地帯の向うの洋館で夜な夜な繰り広げられるパーティはさながらグレート・ギャツビーのよう。しかしその館は実は廃墟であり、夜にだけ現われる人々はゴースト。シャイニング。あるいは女子たちの集団的無意識が生んだ幻想か。
岸辺にキャンバスを広げる老婦人久子(黒木瞳)、第3の少女さやか(杉咲花)の登場により解き明かされるのは、杏奈の記憶に遠く刻まれた祖母の物語。杏奈は彼女自身を祖母の物語の中に入れてしまった。
鉄道が湿原を割って進んでいく冒頭の俯瞰シーンから、郵便局への近道を行くときに夏草の鋭い葉が裸の脛を擦る感触、足裏を滑らせる水藻、古いガラスに歪んで見える室内、鉛筆削りのカッターが芯に当たるとき、すいかに包丁を入れる瞬間の微かな抵抗感。
映画前半はフィジカルな、特に皮膚感覚に訴えるような描写がとても丁寧で心地良いです。ああ、夏ってこういう感じだった、と。反面、物語が動き出す後半は演出がいささか性急な印象を受けました。高畑勲の繊細な描線や、宮崎駿のメカニカルな動作の面白さはありませんが、夕方から夜にかけての湿原の風景はとても美しい。月明かりに照らされるボート。
丘の上、曇り空の下の煉瓦造りのサイロ。下草が強い風になびき、やがて雨が降り始める。これは幼少時より僕の夢にしばしば現れるモチーフです。
杏奈(声:高月彩良)は札幌在住、ショートカットの中学1年生。幼い頃両親を事故で亡くし、施設で暮らした後に里親(松嶋菜々子)に引き取られたが、自分にも周囲にも同化できないでいる。夏休みのすこし前、呼吸器系疾患の転地療養で訪れた釧路湿原で金髪の美少女マーニー(有村架純)と出会う。
「またわたしを探してね。それから誰にも言わないで。約束よ」、「自分の絵を描いてもらったのは初めてよ。わたし今までに会ったどの女の子よりあなたが好き」。
干潮時には歩いて渡れる湿地帯の向うの洋館で夜な夜な繰り広げられるパーティはさながらグレート・ギャツビーのよう。しかしその館は実は廃墟であり、夜にだけ現われる人々はゴースト。シャイニング。あるいは女子たちの集団的無意識が生んだ幻想か。
岸辺にキャンバスを広げる老婦人久子(黒木瞳)、第3の少女さやか(杉咲花)の登場により解き明かされるのは、杏奈の記憶に遠く刻まれた祖母の物語。杏奈は彼女自身を祖母の物語の中に入れてしまった。
鉄道が湿原を割って進んでいく冒頭の俯瞰シーンから、郵便局への近道を行くときに夏草の鋭い葉が裸の脛を擦る感触、足裏を滑らせる水藻、古いガラスに歪んで見える室内、鉛筆削りのカッターが芯に当たるとき、すいかに包丁を入れる瞬間の微かな抵抗感。
映画前半はフィジカルな、特に皮膚感覚に訴えるような描写がとても丁寧で心地良いです。ああ、夏ってこういう感じだった、と。反面、物語が動き出す後半は演出がいささか性急な印象を受けました。高畑勲の繊細な描線や、宮崎駿のメカニカルな動作の面白さはありませんが、夕方から夜にかけての湿原の風景はとても美しい。月明かりに照らされるボート。
丘の上、曇り空の下の煉瓦造りのサイロ。下草が強い風になびき、やがて雨が降り始める。これは幼少時より僕の夢にしばしば現れるモチーフです。
2014年7月26日土曜日
日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」
カワグチタケシ2014年唯一となるソロライブは、リスペクトするミュージシャン、ノラオンナさんが日曜店長をつとめる「アサガヤノラの物語」にて。完全予約制先着10名様限定の超プレミアムディナーショー! 「銀座のノラの物語」が阿佐ヶ谷にお引っ越しして一年。おかず2品と炊き込みご飯が増えて、しかも500円お得になりました。中央線特価!
JR中央線阿佐ヶ谷駅南口徒歩4分35秒「Barトリアエズ」にて。生声の朗読とノラオンナさんの絶品手料理をお楽しみください!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
日曜音楽バー「アサガヤノラの物語」
出演:カワグチタケシ
日時:2014年8月31日(日)
17時開場、18時開演、19時~バータイム
会場:Barトリアエズ 東京都杉並区阿佐ヶ谷南3-43-1 NKハイツ1F
料金:4,500円
ライブチャージ
5種のおかずと炊き込みご飯のアサノラ弁当(味噌汁付)
ハイボール飲み放題(ソフトドリンクはウーロン茶かオレンジジュース)
スナック菓子3種
以上全部込みの料金です。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
更に御来場の皆様には、もれなくアサノラ限定カワグチタケシ新作訳詞集 "suger, honey, peach +love" (CD付)を差し上げます。
2011年3月11日の東日本大震災以降、詩を書かない期間がありました。しばらく経って自分が言葉を強く欲していること、それも甘い言葉を欲していることに気づきました。
でも自分のなかにはしょっぱい言葉しか見つけられなかった。それで自分の外側にある言葉を採集することに。ジャズのスタンダードからサイケデリック、ソフトロック、パンク。1950~90年代のポップミュージックの歌詞をリハビリをするように翻訳しはじめました。
自作詩の創作を再開したいまも訳詞を並行しており、50曲程仕上げています。そのうち厳選した10曲の訳詞を冊子にまとめました。
昨年はソロライブを3回開催しましたが、今年はこの1回のみにする予定です。夏休みの最後の一日をみなさんと一緒に過ごせたら幸いです。
*完全予約制、先着10名様限定です。
ご予約は nora_onna@hotmail.co.jp まで。お名前、人数、
お電話番号をお知らせください。
お席に限りがございます。どうぞお早目に!
*8月7日追記:おかげさまでご予約で満席になりました。
どうもありがとうございます。キャンセルが出ましたら
またお知らせします!
2014年7月21日月曜日
Kitchen Table Music Hour vol.2
素晴らしいウクレレ奏者でもあるシンガーソングライターのおふたりに海の日の祝日を彩ってもらおうという趣向。奏でる楽器は同じでもいろんな意味で対照的なふたりの音楽をお楽しみいただけたのではないでしょうか。
原色に近い赤でルーズシルエットのワンピース姿のmoqmoq(オカザキエミ)さん(画像)。ソリッドでハードエッジなウクレレ。弦一本一本の音がシャープに立っています。彼女の書くメロディは、R&Bに憧れた白人音楽をアジアの感性でもうひとひねりしたようなところがあり、歌詞に描かれた風景や植物もくっきりとした輪郭を持っています。一般的な美声の価値観からはすこし外れますが、どうしても耳に残るソウルフルな歌声。右肩には小鳥が乗っています。
ノラオンナさんは黄色のストライプのタイトなワンピース。ピアニシモからメゾフォルテまでウクレレの持つレンジをフルに使っていますがあくまでもソフトタッチでさざなみのよう。硬質で言葉数を切り詰めた歌詞がこのウクレレと低い歌声に乗ると、途端に柔らかな抒情性を帯びるマジック。楽器を弾いています、という感じがしない。彼女が発するすべてが渾然一体となって、音楽としか呼びようのないものになります。
ふたりに共通しているところはオーソドックスなのに誰にも似ていないところ。それを誠実に正確に丁寧に届けようという意思の強さ。新しいスタンダードナンバーはこのようにして生まれるんじゃないかと思います。
僕自身とても楽しめましたし、お客様もきっとそうだと思います。いつも快く会場を提供してくださる映画館のマスターご夫妻に感謝します。看板猫の虎太郎くんも終演後に姿を見せてくれました。
vol.1とvol.2のあいだが10ヶ月も空いてしまったのですが、次回vol.3は2ヶ月後。9/27(土)に同じくJAZZ喫茶映画館さんにて、mueさんとvol.1にもご出演いただいたまえかわとも子さんをお招きしてお届けします。ブラジル音楽をベースにしながら独自の進化を遂げつつあるふたりの音楽をどうぞお楽しみください。
ようやく秋らしくなったころ、土曜日の午後。坂道のある街のジャズ喫茶で、またみなさんにお会いできたらと思います。
2014年7月20日日曜日
フィクショネス詩の教室 最終回スペシャル
1998年秋、僕がNYの詩人シャロン・メズマーの詩集の書評を書いたAMERICAN BOOK JAMで広告を見つけて下北沢を訪れたのが、書店フィクショネスと店主藤谷治氏との出会いでした。そして1年半後の2000年3月、詩の教室が始まりました。
曜日や時間は何度か変わりましたが、14年間毎月続けてきました。最少催行人割れの流会は別として(笑)、休講はたしか、台風と父の葬儀と僕のインフルエンザの3回だけだったと思います。
その間、百名以上の詩人の数百篇の詩作品を紹介してきました。また参加者の作品には毎回感心されられつつも、みんなで修正ポイントを探し出してアドヴァイスし合いました。教室の準備も含めて、僕にとっても多くの詩を深く読み込んだ豊かな時間でした。
店主が小説家として正念場を迎え(?)、店舗(といってもほぼ書斎)を閉めることになり、これに伴って詩の教室も終了することになりました。
最終回は僕のわがままで、いままで教室で紹介した詩作品のなかから、特に好きなものや何かの契機になったものを選んで朗読させてもらいました。
宮沢賢治「春と修羅 序」(1924)
室生犀星「はる」(1916)
西脇順三郎「眼」(1933)
伊東静雄「わがひとに與ふる哀歌」(1934)
金子光晴「落下傘」(1938)
草野心平「窓」(1940)
村野四郎「体操」(1939)
田村隆一「腐敗性物質」(1966)
吉岡実「過去」(1955)
長谷川龍生「理髪店にて」(1957)
吉本隆明「恋唄」(1958)
那珂太郎「秋の・・・」(1959)
中江俊夫「地球」(1952)
岸田衿子「音無姫」(1957)
長田弘「言葉と行為のあいだには」(1965)
茨木のり子「自分の感受性くらい」(1975)
伊藤比呂美「アウシュビッツ ミーハー」(1985)
カオリンタウミ「RAMBLING IN THE RAIN」(1997)
究極Q太郎「あるホームレス」(2000)
田口犬男「菜食主義者のために」(2002)
これ以外にも、アポリネール、シュペルヴィエルをすこし、過去の参加者の作品も一篇取り上げました。
参加費分のエンターテインメントを提供しなくてはならないと、14年の途中にはそれなりのプレッシャーもありましたが、これだけ長く続けてこられたのは、参加者のみなさんと店主の藤谷氏のおかげです。どうもありがとうございました。Poetry is everywhere, anywhere. とシャロン・メズマーも言っていました。今日会えた方も会えなかった方も、どうかこれからも詩を忘れずに。
曜日や時間は何度か変わりましたが、14年間毎月続けてきました。最少催行人割れの流会は別として(笑)、休講はたしか、台風と父の葬儀と僕のインフルエンザの3回だけだったと思います。
その間、百名以上の詩人の数百篇の詩作品を紹介してきました。また参加者の作品には毎回感心されられつつも、みんなで修正ポイントを探し出してアドヴァイスし合いました。教室の準備も含めて、僕にとっても多くの詩を深く読み込んだ豊かな時間でした。
店主が小説家として正念場を迎え(?)、店舗(といってもほぼ書斎)を閉めることになり、これに伴って詩の教室も終了することになりました。
最終回は僕のわがままで、いままで教室で紹介した詩作品のなかから、特に好きなものや何かの契機になったものを選んで朗読させてもらいました。
宮沢賢治「春と修羅 序」(1924)
室生犀星「はる」(1916)
西脇順三郎「眼」(1933)
伊東静雄「わがひとに與ふる哀歌」(1934)
金子光晴「落下傘」(1938)
草野心平「窓」(1940)
村野四郎「体操」(1939)
田村隆一「腐敗性物質」(1966)
吉岡実「過去」(1955)
長谷川龍生「理髪店にて」(1957)
吉本隆明「恋唄」(1958)
那珂太郎「秋の・・・」(1959)
中江俊夫「地球」(1952)
岸田衿子「音無姫」(1957)
長田弘「言葉と行為のあいだには」(1965)
茨木のり子「自分の感受性くらい」(1975)
伊藤比呂美「アウシュビッツ ミーハー」(1985)
カオリンタウミ「RAMBLING IN THE RAIN」(1997)
究極Q太郎「あるホームレス」(2000)
田口犬男「菜食主義者のために」(2002)
これ以外にも、アポリネール、シュペルヴィエルをすこし、過去の参加者の作品も一篇取り上げました。
参加費分のエンターテインメントを提供しなくてはならないと、14年の途中にはそれなりのプレッシャーもありましたが、これだけ長く続けてこられたのは、参加者のみなさんと店主の藤谷氏のおかげです。どうもありがとうございました。Poetry is everywhere, anywhere. とシャロン・メズマーも言っていました。今日会えた方も会えなかった方も、どうかこれからも詩を忘れずに。
2014年7月19日土曜日
PRESENT
ひと月ぶりの更新です。梅雨明け間近の土曜日の昼下がり。下北沢OFFOFFシアターで劇団フライングステージ第39回公演『PRESENT』を鑑賞しました。
フリーターの太陽(澤口渉)と地方公務員坂井(阪上善樹)は同棲3年目の30代ゲイカップル。ある休日の朝、太陽はHIV検査で陽性が出たことを坂井に告げる。
フライングステージはカミングアウトしているゲイの劇団です。このお芝居の初演は2003年。たぶんそのときにも観たはずなのですが、まったく筋を覚えておらず、新鮮な目で楽しめました。
テーマは重いのですが、全体にコメディタッチな演出で、ふたりを取り巻く人々も皆お人よしの善人ばかり。石関準さん演じるトイプードルのブリーダーのみっちゃんのおネエならではの毒舌とおせっかいの暴走ぶりは笑えます。
作・演出の関根信一さんは主人公の母親役。(ノンケの)おばさん役が板につき過ぎてもう男性を演じる姿が想像つかないほどです。「孫がいるようには見えないでしょ?」という台詞が客席の一番の笑いどころでした。役の設定は52歳。実年齢は僕と同じ49歳。見た目の大御所感は還暦オーバー(笑)。
唯一の女性出演者(生物学上の)HIV陽性者のサポートボランティア役の木村佐都美さん(おちないリンゴ)の3パターンの衣装の鮮やかな色合いと金髪のヅラがとてもよく似合っていました。
タイトルの"PRESENT"を字義通りに取ればラストシーンのクリスマスの贈り物につながりますが、それは同時に「提案」「現在」「存在」でもあり、更に"GIFT"であれば「才能」「個性」という意味も含まれているのだなあ、と思いました。
フリーターの太陽(澤口渉)と地方公務員坂井(阪上善樹)は同棲3年目の30代ゲイカップル。ある休日の朝、太陽はHIV検査で陽性が出たことを坂井に告げる。
フライングステージはカミングアウトしているゲイの劇団です。このお芝居の初演は2003年。たぶんそのときにも観たはずなのですが、まったく筋を覚えておらず、新鮮な目で楽しめました。
テーマは重いのですが、全体にコメディタッチな演出で、ふたりを取り巻く人々も皆お人よしの善人ばかり。石関準さん演じるトイプードルのブリーダーのみっちゃんのおネエならではの毒舌とおせっかいの暴走ぶりは笑えます。
作・演出の関根信一さんは主人公の母親役。(ノンケの)おばさん役が板につき過ぎてもう男性を演じる姿が想像つかないほどです。「孫がいるようには見えないでしょ?」という台詞が客席の一番の笑いどころでした。役の設定は52歳。実年齢は僕と同じ49歳。見た目の大御所感は還暦オーバー(笑)。
唯一の女性出演者(生物学上の)HIV陽性者のサポートボランティア役の木村佐都美さん(おちないリンゴ)の3パターンの衣装の鮮やかな色合いと金髪のヅラがとてもよく似合っていました。
タイトルの"PRESENT"を字義通りに取ればラストシーンのクリスマスの贈り物につながりますが、それは同時に「提案」「現在」「存在」でもあり、更に"GIFT"であれば「才能」「個性」という意味も含まれているのだなあ、と思いました。
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