2014年7月21日月曜日

Kitchen Table Music Hour vol.2

僕が普段、自宅のキッチンテーブルで、本を読んだり、お菓子を食べたり、詩を書いたり、詩集の製本をしたりしているときに聴いている音楽を生演奏でお届けしましょう、というライブ "Kitchen Table Music Hour"。前回に引き続きJAZZ喫茶映画館さんで、本日vol.2を開催させていただきました。

素晴らしいウクレレ奏者でもあるシンガーソングライターのおふたりに海の日の祝日を彩ってもらおうという趣向。奏でる楽器は同じでもいろんな意味で対照的なふたりの音楽をお楽しみいただけたのではないでしょうか。

原色に近い赤でルーズシルエットのワンピース姿のmoqmoq(オカザキエミ)さん(画像)。ソリッドでハードエッジなウクレレ。弦一本一本の音がシャープに立っています。彼女の書くメロディは、R&Bに憧れた白人音楽をアジアの感性でもうひとひねりしたようなところがあり、歌詞に描かれた風景や植物もくっきりとした輪郭を持っています。一般的な美声の価値観からはすこし外れますが、どうしても耳に残るソウルフルな歌声。右肩には小鳥が乗っています。

ノラオンナさんは黄色のストライプのタイトなワンピース。ピアニシモからメゾフォルテまでウクレレの持つレンジをフルに使っていますがあくまでもソフトタッチでさざなみのよう。硬質で言葉数を切り詰めた歌詞がこのウクレレと低い歌声に乗ると、途端に柔らかな抒情性を帯びるマジック。楽器を弾いています、という感じがしない。彼女が発するすべてが渾然一体となって、音楽としか呼びようのないものになります。

ふたりに共通しているところはオーソドックスなのに誰にも似ていないところ。それを誠実に正確に丁寧に届けようという意思の強さ。新しいスタンダードナンバーはこのようにして生まれるんじゃないかと思います。

僕自身とても楽しめましたし、お客様もきっとそうだと思います。いつも快く会場を提供してくださる映画館のマスターご夫妻に感謝します。看板猫の虎太郎くんも終演後に姿を見せてくれました。

vol.1とvol.2のあいだが10ヶ月も空いてしまったのですが、次回vol.3は2ヶ月後。9/27(土)に同じくJAZZ喫茶映画館さんにて、mueさんとvol.1にもご出演いただいたまえかわとも子さんをお招きしてお届けします。ブラジル音楽をベースにしながら独自の進化を遂げつつあるふたりの音楽をどうぞお楽しみください。

ようやく秋らしくなったころ、土曜日の午後。坂道のある街のジャズ喫茶で、またみなさんにお会いできたらと思います。


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