2014年8月15日金曜日

ジゴロ・イン・ニューヨーク

終戦記念日。蝉時雨。新宿武蔵野館で『ジゴロ・イン・ニューヨーク』を観ました。ウディ・アレンが出ているし『ミッドナイト・イン・パリ』『恋のロンドン狂騒曲』『ローマでアモーレ』に続く地名シリーズ4部作かと思いきや、ジョン・タトゥーロ監督脚本主演作品です。

舞台はNYCブルックリンのユダヤ人居住地域。古書店の三代目マレー(ウディ・アレン)は店を閉じることに。かかりつけの皮膚科のドクター(シャロン・ストーン)に男を紹介して欲しいと言われ、つい「いい男がいるが安くない。1000ドルだ」と答えてしまう。そこで白羽の矢が立ったのは、かつてマレーの古書店に強盗に入り、いまは生花店でバイト中の友人フィオラヴァンテ(ジョン・タトゥーロ)。彼がジゴロとして非凡な才能を発揮し、ふたりは「ヴァージル&ボンゴ」というユニット名で荒稼ぎする。

しかしフィオラヴァンテは、厳格なユダヤ教徒の未亡人アヴィガル(ヴァネッサ・パラディ)と本気の恋に落ちてしまう。そのことで窮地に陥ったヴァージル&ボンゴの運命や如何に。

原題は"Fading Gigolo"。色褪せつつある、黄昏の、消えゆくジゴロ。

秋のニューヨーク郊外の風景が美しく、上品なジャズがよく似合う。ジゴロ役のタトゥーロは聞き上手でよく気が利いてセクシーだし、ウディ・アレンは神経質で落ち着きがない。ベテラン俳優達のいぶし銀の技が光る、大人のオフビートコメディです。ジューイッシュ・コミュニティの独特な風習も「へぇ、こんなんなんだあ」と興味深い。

シャルロット・ゲンズブールと並び、1990年代にはフレンチロリータの代表格だったヴァネッサ・パラディも40代に。成熟した大人の女性にちゃんと変貌しているのは、若さに拘泥しないお国柄を反映しているのでしょうか。でも挿入歌の唄声が往時のままで、そのギャップには心臓を鷲掴みにされました。

 

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