2024年5月29日水曜日

水辺にて

夏日。所沢音楽喫茶MOJOで開催されたChiminさんの企画ライブ『水辺にて』に行きました。

長いブランクを経て、昨年11月にライブ活動を再開したChiminさん。MOJOでは毎回ゲストをひとり招きツーマンライブを開催していますが、きれいな水辺で大人たちが寝転んでゆっくり聴けるようなライブ、という思いを込めて、今回から『水辺にて』とシリーズタイトルが付きました。

今回のゲストはSaigenjiさん。演奏のクオリティとエンターテインメント性の高さは言わずもがな。One Voice, One Guitarボサノヴァ沖縄トラディショナルも季節感のあるギターインストも一貫して心地良く楽しく聴かせるのは、そこには存在しないはずのスルド(サンバで使用する大太鼓)の付点八分音符+十六分音符のリズムが通底しているから。

ブラジリアンスタンダード "Desafinado" の歌詞の解説も面白かったです。それにつけても、ブラジル音楽のヴォイスパーカッションはジャマイカのスカと並び、HIPHOPよりずっと歴史があるのにあまり顧みられることがないな、と思いました。

Chiminさんは佳曲「チョコレート」でスタート。加藤エレナさん(key)と井上"JUJU"ヒロシさん(sax, fl, per)のサポートです。昨年11月のライブ復帰時からブランクを感じさせない歌声でしたが、正直手探りなところもあったと思います。3月そして今回と重ねるごとに、歌う喜びが勝ってきて、より自由に、歌うことを楽しんでいるように見える。

約10年ぶりという新曲「光の方へ」は「波のような人だね」というリフレインが印象的なサンバのリズム。前回もカバーした「死んだ男の残したものは」。Chiminさんの歌声の持つ伸びやかな美しさから時折覗く危うさ、その先にある小さいけれど強い光。アンコールの「残る人」は再びサンバ。Saigenjiさんも加わってギターとスキャットで盛り上げます。

「平和のためにできることは、毎日元気に生きること」と言う。Chiminさんの歌声が世界を、少なくとも僕の世界を照らす光となる。再び歌うことを選択してくれたことに感謝したいです。

 

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