たけだあすかさん(4月のVol.39のときはaccaさんでした)。大阪から新しいCDを持って歌いに来てくれました。小柄で人懐こいえくぼと柔らかく心にすっと沁み込むような声が心地良く響きますが、ピアノやギターの細かいフレーズに小粋なところがあってあなどれません。新曲の「ばか」はスローテンポのキュートなカントリーブルーズです。僕のオープニング「ANOTHER GREEN WORLD」が戦争や殺戮を主題にした重たい詩だったので、それでもささやかな日常は続くという意味で、1曲目に「ありふれた日々」をリクエストしました。
テロと空爆のニュースを受けて「十一月」「都市計画/楽園」。なぜ殺してはいけないか、という僕の問いに対して、松浦湊さん(左利き)の1曲目は「おやすみ」。どうしておやすみと言ってくれなかったの、と夜の空気でやさしく包む。チャーミングな酔っ払いを演じていても、舌足らずでアンニュイなMCやシュールレアリスティックでコミカルな歌詞に、隠しきれな知性が滲みます。音楽のなかに対話が内包されており、ソングライティングにもギターの響かせ方にも独自の宇宙を感じる。「おばかさん」って面と向かって言われてみたい美女です(笑)。
松本佳奈さん(画像)は昨年9月Poemusica Vol.32に出演が決まっていたのですが、急病で叶いませんでした。そのとき入院中の佳奈さんと、カーペンターズの"(They Long To Be) Close To You" についてメールでやりとりしたことを憶えていて1曲目にカバーしてくれました。佐々木真里さんのピアノに乗せて歌うその声は深い滋味と包容力に溢れています。「ばかみたい」「パラダイムシフト」「Strings」。名曲の数々には真里さんのアコーディオンやグロッケンがちりばめられ、より一層輝きを増しているように思えます。
僕の「クロース・トゥ・ユー」の訳詞朗読にも真里さんがピアノで彩りを添えてくださいました。この日初対面のミュージシャン3組が互いにリスペクトを示しながらも自分の役割を果たし、且つ全体の流れがしっかりつながっているという、一流の職人の仕事を見ているような感動がありました。ホストだからがんばってつながないと、と肩に力に入れる必要もなく、僕は自然な流れに乗っているだけでした。それは共演者のみなさんはもちろん、会場スタッフや何より真摯に聴いてくださったお客様のおかげだと思います。心より感謝いたします。
来月のPoemusicaは下記のメンバーでお届けします。2015年最終回、忘年会でもクリスマス会でも(笑)。乾杯しましょう!
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Poemusica Vol.45 ポエムジカ*詩と音楽の夜
日時:2015年12月17日(木) Open19:00 Start19:30
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
yoyaku@seed-ship.com
料金:予約・当日2,400円(ドリンク代別)
出演:unclose
澤寛子
Luxmi
カワグチタケシ (PoetryReading)
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