ユナイテッドシネマ豊洲で三谷幸喜監督作品『ギャラクシー街道』を観ました。なんとも評し難い映画です。ちょいちょい笑えるシーンがあって退屈しないし、三谷映画にしてはエンディングもくどくない。だからなのかなんなのか、いつもの「はー、映画観た!」っていう感じがしないのだ。
舞台は宇宙。ルート24666、通称ギャラクシー街道。完成から150年が経ってだいぶ寂れている。街道沿いのハンバーガーチェーン「サンサン」コスモ店の店長ノア(香取慎吾)と妻で店員のノエ(綾瀬はるか)。地球行のシャトルが出発するまでの1時間の物語。
「宇宙で駄目だったやつがどこ行ったって上手くいくわけないじゃん」「私たちの常識的なことが通用しないのが宇宙で暮らすときの条件でしょ?」。ハンバーガーショップを通過する異星人たちの群像劇であり、複数の小さなエピソードが連続的、重層的に進行するのですが、エンディングに向かって収斂するタイプのドラマをあえて避けているかのように思えます。
店のインテリアはミッドセンチュリー。スーツ姿で東芝ルポみたいな旧式のワープロに報告書を入力している国交省官僚で、最も常識的人物に見えるハシモト(段田安則)が2Dの幻覚を呼ぶ力を持っている。ホログラムの堂本博士(西田敏行)は親身な相談相手かと思いきや、プリセットされた好みの回答をボタンで選んで言わせているだけ、だったり。店を一歩出ればそこは真空/無重力の宇宙空間。その閉塞感。
「長い年月を経てギャラクシー街道が一つの生命体として意志を持ってきた」。
スペース警備隊マンモ隊員を演じた秋元才加が、華やかさと演劇的身体能力の高さで鮮やかな印象を残します。あと、優香さんは素晴らしく良い具合に年令を重ねていると感じました。かわいいおばあちゃんへの道は約束されたも同然です。
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