ハロウィンの夜、東京メトロはゾンビで満員です。仮装とは最も縁遠そうなバンド(笑)LITTLE CREATURESの25周年ライブに行きました。
会場はCLUB eX。品川プリンスホテル新館3階にある深紅のベルベットに包まれた円形ホールです。開演時間に場内ナレーションが。グッズ紹介の「ポケットがふたつついたとっても便利なトートバッグです」(棒読み)でまず笑う。
客電が落ち、ミラーボールの回る中、STYXの"Mr. Roboto"に乗ってお揃いの白シャツ、ホワイトジーンズにグレーのハンチングを被った3人のメンバーが登場。ホール中央の円形ステージの内側を向いて"MOSQUITO CURTAIN"から演奏が始まります。客席に背を向ける格好になりますが、高校の同級生バンドが初めてスタジオに入って最初の一音を鳴らしたときの初期衝動そのままを象徴しているように見えました。
5年ぶりのワンマンライブ。十代でデビューしてメンバーチェンジなく25年間。リリースこそ多くはありませんが、淡々と気負わず自然体で質の高い音楽を作り続けてきました。常にコンテンポラリーと対峙し、あらゆる音楽に対する真摯な愛情とエレガントな革新性とそこはかとないユーモアをフレッシュな状態で保ち続けている奇跡。スリーピースというバンドの最小単位でありながら人間関係にドライな距離感と深い信頼があるからこそ可能にしているのだと思います。
元来プロデューサー気質で且つ高いプレイヤビリティとセンスを持つ3人が時々こうして集まって、謙虚ながらも確信に満ちた姿勢で、成熟した音楽を奏でる。ポップカルチャーの良心がそこにありました。
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