10月最初の土曜日、表参道PRACA11(プラッサオンゼ)へ。コンポーザー/アレンジャー/ベーシストの沢田穣治さん率いる大編成コンボ "Banda Choro Eletrico" のライブを聴きに行きました。
もとよりかなり流動的なメンバー構成のバンドではありますが、約1年前に同じ店で聴いたときとはすこし編成が変わっています。ステージ上手から、スルドのちっちさん、パーカッション(コンガ、クイーカ、ビリンバウ、etc)渡辺亮さん、ドラムス沼直也さん(F.I.B Journal他)、パーカッション(パンデイロ他)・ボーカル新美桂子さん、ベース沢田譲治さん、トイピアノ伊左治直さん、ボーカルまえかわとも子さん(左利き)、フルート尾形ミツルさん、ギター馬場孝喜さん、トロンボーン和田充弘さんの11人。そこに、ダンサー坂本真理さん、ゲストボーカルのふたり井之上久美子さんとMAKOさんが加わった大所帯。
ブラジルの伝統的なカフェミュージックであるショーロを現代的にアレンジ、と簡単に言うとそうなりますが「現代的」の意味が違う。普通、現代的といえば、ポップなアレンジ、エレクトロニクスやダンスビートの導入ということになると思いますが、このコンボの現代性はそちらではなく無調性な現代音楽やフリーインプロヴィゼーションに向かいます。
曲の主題は、フルート、トロンボーン、ギター、スキャットによるジャズロック・フュージョン的な高速パッセージのリフレインで構成されるものが多いのですが、変奏部の逸脱ぶりが予想を軽く超えてスリリングに展開していく。そしてときおり立ち上がるトイピアノの不協和音の美しい異物感。
ともすればアンダーグラウンドで難解な方向性に嵌りそうな音楽を、ちっちさんのスルドが踏みとどまらせています。あのゆったりとサスティーンの効いた裏打ちのシンコペーションが入るとブラジル感がいやがうえにも増し、カーニバルの狂騒を誘います。
PRACA11さんは日系ブラジル人マダムが供する家庭料理も魅力。フェイジョアーダにソーセージがついたプラット・ド・ヂア・リングイッサはボリューム全開で美味しかったです。
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