第三木曜日夜のライブは6月以来、4ヶ月ぶりです。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPでPoemusica Vol.43が開催されました。
真っ赤な花の髪飾りをつけた桂有紀乃さん。Poemusicaに出演するのは2度目、去年3月のVol.26以来です。小さな全身を使って声を発する。その歌声はまだ叶えられていない祈りでもあり、時に辛辣に響くこともありますが、大きな愛を持っているのが伝わってきます。激しいパフォーマンスの最中でも、思いが強過ぎて混沌として見えるときでも、客席を冷静に観察して、関係を築きたいといつも考えているのではないでしょうか。懐疑と信頼の振幅が大きく、それがいつでも観客の感情を揺さぶります。
ちみんさん(画像)が立って歌うのを、そういえば初めて見たかもしれません。伸びのある美声は音程が正確で、地声もファルセットも豊かな響きを持っています。特別な声。歌うことが生きること、歌うために生まれてきたような人。僕からみたらそんな精霊的な存在なので、楽屋で話をしていると、この人に日常があるということ自体が不思議なのですが、その日常が彼女の音楽を確かに形作っているのです。
SEED SHIP初出演の潮崎ひろのさん。仔犬のような可愛らしい人。やわらかくてまっすぐな歌声は世界のありようを信じている。信じているが故に危うさも孕んでいる。そしてその危うさを彼女生来のタフネスが抑制している。そんな風に僕には聴こえました。吉田宏志(よっしー)さんのスケール感と包容力のあるピアノとひろのさんのトイピアノのソリッドでキュートな音色のアンサンブルが、楽曲のピュアネスを一層引き立てていました。
僕は12月発売予定の新詩集『ultramarine』(ウルトラマリン)から5篇、ハロウィンの詩「線描画のような街」、「水玉」「花柄」、ちみんさんの歌詞を引用している「希望の駅」と「すべて」、前作『新しい市街地』から「チョコレートにとって基本的なこと」の計6篇を朗読しました。
来月11月のPoemusicaは、たけだあすか (acca)さんが歌いに来てくれます。ボジョレーヌーヴォー解禁の夜です。乾杯しましょう!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
Poemusica Vol.44 ポエムジカ*詩と音楽の夜
日時:2015年11月19日(木) Open19:00 Start19:30
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
yoyaku@seed-ship.com
料金:予約2,200円・当日2,500円(ドリンク代別)
出演:たけだあすか (acca) from大阪(vocal/guitar)
松浦湊(vocal/guitar)
松本佳奈(vocal/piano)
カワグチタケシ (PoetryReading)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
0 件のコメント:
コメントを投稿