2025年1月18日土曜日

さいとういんこ記念オープンマイク+ライブ

薄曇り。千駄木Bar Issheeにて『さいとういんこ記念オープンマイク+ライブ』が開催されました。

この日1月18日は、いんこさんのお誕生日。バースデーライブとはまた、どういう心境の変化なのか。30年近い付き合いになりますが、小さいのから大きいのまで、毎度驚きをくれます。

いんこさんのMCによりくじ引きで出演順が決まるオープンマイクは、いんこさん自身も含め、全12組がエントリーしました。しょっぱなRabbit Fighterさんの即興詩から始まり、最後のかとゆかちゃんも即興の語り。世界平和がテーマと事前告知があり、それに寄せたことで、各々の切り口の違いが明瞭でした。

ジュテーム北村氏のひりひりした肉声、佐藤yuupopicさんのすっと沁みこむ心地良い声、斉藤木馬さんの鉈で割るような硬質な発声、みなさんご自身の朗読スタイルを持っていて聴かせます。なかでも、宮澤賢治を引いて「世界平和は実現しない、なぜなら私は幸せではないから」と明るく断言したオープンマイク初参加というチャコさんのフリースタイル・トーキングブルーズは強く印象に残りました。

僕はオープンマイクでは「都市計画/楽園」を、ライブコーナーでは連詩「クリスマスの翌日に」(2021)と「クリスマスの午後に」(2022)の2篇をいんこさんと並んで朗読しました。

いんこさんのソロステージは、安部王子さんのDTMと6弦ベースの生演奏をバックに約20分。『ハンバーガー関係の数編の詩と、その他の詩』収録作品を中心に、人気の「SRH」ではコール&レスポンスも飛び出しました。詩の朗読でコール&レスポンスって。

「私のやりたいロックをポエトリーリーディングでやっている」と言ういんこさんのMCがありました。破壊衝動と世界平和、反商業主義とショービス、前衛性と大衆性、粗野な行いと繊細さ、自己否定と承認欲求、反知性と探求心、など相反する要素を強引に成立させる歪んだギターと強烈なビートがロックだと僕は考えています。また「今日あったことを今日表現できる」というニュース性もロックだと思います。

「世界平和だと堅苦しいから#セカヘワで」。いんこさんのロックはこういうことなんだな、と観る人、聴く人みんなが納得するのは、そこに必ずポジティブなアティテュードの存在を認めるからだと思います。この日は奇しくもBar Issheeさんの17回目の開店記念日(おすぎとピーコマイメロディも同じ誕生日)ということでしたが、浮かれ過ぎることなく、考え込み過ぎることもなく、このちょうどよさもまた、いんこさんとその作品が愛される理由なのでしょう。いんこさんお誕生日おめでとうございます。一生反抗期を貫いてくださいね。

 

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