2025年1月19日日曜日

ねこしま

冬晴れ。シネ・リーブル池袋サラ・ジェイン・ポルテッリ監督作品『ねこしま』を観ました。

英国連邦の独立国マルタの人口は45万人。地中海に浮かぶ3つの島で構成されている共和国に10万匹の猫が暮らしているという。自身のルーツであるマルタ共和国へ2017年に移住したオーストラリア出身の女性監督が撮ったドキュメンタリーフィルムです。

約70分の映画は6パートで構成されている。

①人災事故で左前足を失った野良猫ナーヌを動物病院に搬送し治療後、自宅に引き取ったが野良の習性で逃亡するも、港でしばしば出会うというカップル。

②セント・ジュリアン地区で1匹の飢えた野良猫に餌をあげたのをきっかけに多くの野良猫にキャットフードを与えキャットヴィレッジと命名したがヒルトングループの再開発で立ち退きを迫られている老婦人。

③リゾート地スリーマの海に面したキャットパークで巨大な猫のオブジェを制作するパブリック・アーティスト。

④"Powered By Fairydust And Cat Hair" とティンカーベルの描かれたTシャツを着た猫おばさんは、自宅近くの路上で野良猫を餌付けしている。

⑤おこづかいやお手伝いの駄賃をキャットフードに注ぎ込む11歳のぽっちゃりした少年。

⑥約200匹を擁する保護猫カフェを経営するNGO代表者の女性は、世界中の保護猫NGOの連帯を訴える。

どちらかというと猫よりも人間にフォーカスしており、インタビュー映像の時間が長いが、話している人間のかたわらにはいつも猫が映っている。そして飼い猫はほぼ画面に登場しない。野良猫たちと人間の関係性を描いた映画と言っていいと思います。監督はその在り方を賛美も否定もしませんが、そのありのままの存在の肯定が猫的ともいえましょう。

キジトラって英語でgingerって言うんですね。冬の休日の午後の1時間を過ごすのに最適な映画だと思います。猫嫌いでなければ。挿入歌で使用されている Eric Harper の "I'm Coming Home" がめちゃいい曲で、映画館を出て速攻ダウンロードしました。

 

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