2016年10月10日月曜日

EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years

今年は10月10日が体育の日。角川シネマ有楽町で、ロン・ハワード監督作品 『ザ・ビートルズ ~Eight Days A Week ‐ The Touring Years』 を観ました。

1963年、セカンドアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』発売直前、マンチェスターABCシネマの公開録画から映画は始まる。それから1966年サンフランシスコ・キャンドルスティック・パークのラスト・コンサートまで。デビュー前の静止画+ライブ録音を含めてもわずか5年間のライブ活動期間を編集したドキュメンタリーフィルム。

4K技術とデジタルリマスターにより格段に鮮明になった映像と音声は冷酷なまでにバンドの状態を伝えてしまいます。1966年日本武道館公演の4人に1963年当時の溌剌さは消え、特にリンゴ・スターの表情は冴えない。

最後の公式映像となった1970年アップルレコードのルーフトップ・コンサートの4人は50過ぎといってもおかしくないぐらい。疲弊と悟りと数年ぶりに皆で音を合わせる喜びが表情に出ている。

ジョン・レノンリンゴ・スターは1940年、ポール・マッカートニー(左利き)が1942年、ジョージ・ハリスンが1943年生まれなので、最年長のジョンとリンゴですらザ・ビートルズの活動期間は22歳から30歳、ジョージに至っては19歳でデビューし27歳で解散。いかに早熟な天才だったかが判ります。

本編の後に上映される1965年NYシェイスタジアム公演の演奏が素晴らしい。十代の頃『The Beatles at the Hollywood Bowl』のLP盤を聴いて、録音のショボさと嬌声のデカさに辟易しましたが(だって Yessongs とか好きだったんだもん)、最新テクノロジーが当時のバンドのクオリティを蘇らせ、めっちゃ格好良いです。でもこれ、現場で客席に流れてたのはメガホンみたいなスタジアムスピーカーから数秒だけ聴こえるペラぺラな音なんだろうな。

世界中の少女たちの熱狂ぶりがやはりすさまじい。失神してスタジアムの警備員に担ぎ出されたガールズもいまや60~70代でしょう。「1曲目の途中までしか記憶がないのよ」なんて武勇伝を何度も孫に話してウザがられているのかと想像すると、鼻の奥がツンとします。映画館の客層もそれぐらいな感じでした。


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