日差しのまぶしい土曜日の午後。ユナイテッドシネマ豊洲で三浦しをん原作矢口史靖監督作品『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』を観ました。
大学入試に落ちた主人公平野勇気(染谷将太)は、カラオケ帰りに偶然目にした林業体験のパンフレットで微笑む美少女(長澤まさみ)に心を奪われ、ローカル線を乗り継いで研修プログラムに参加する。
テンポの良い映画です。集合研修中に仲間が脱落していくところや、ヒロインとの距離を詰めるところなど、普通だったらもっと時間をかけて描くと思いますが、矢口監督はそれをしない。主人公の内面を掘り下げないからストーリーがどんどん進む。そのスピード感がこの映画の一番の魅力です。
ニッチな世界にたまたま飛び込んだ主人公(たち)が、そこに自分の居場所を見出しやがて熱中していく、という物語の基本的な構造は同監督の『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』と同じですが、この2作と異なるのは同級生の仲間がいないこと。最終的に作品を発表することもなく、最後までドタバタと駆け抜ける。
樹木の深い緑色と相俟って、森林浴をしたような爽快な後味が残ります。土着的な山岳信仰とテクノロジーのバランス感覚も好印象。
そしてなにより強烈なのは林業の天才飯田ヨキを演じる伊藤英明の激マッチョな存在感です。画面に映るだけで可笑しい。『愛をください』(2000)とか『天体観測』(2002)などCX系のドラマに出ていた頃はこんな展開になるとは思ってもいませんでした。迷わず突き進んでもらいたいです。
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