よく晴れた空に白い雲が浮かんでいます。11月最後の土曜日、山手線に乗って大塚へ。音楽堂 ano ano で手島絵里子さん(triola、蓮沼執太フィル etc.)、明利美登里さんの室内楽リサイタル Viola & Piano Duoconcert vol.4 "Casual Classic" を鑑賞しました。
このシリーズは2010年9月のvol.1から毎回聴いています。初回は生まれたて仔鹿のように震えていた手島さんが回を重ねるごとに堂々として演奏にも落着きを与えています。
クラシックから出発した演奏家が、オルタナティブを経由して、もう一度クラシックに戻ってきたときのアティテュード、グルーヴ、タイム感にはやはり現代的なアクチュアリティが存在する。そこが面白い。
"Casual Classic"とサブタイトルにあるとおり、今回はクラシックの有名曲や童謡、クリスマスソングなど、小品を中心とした構成でした。
・ドヴォルザーク 「家路より」
・中田喜直 「ちいさい秋みつけた」
・本居長世 「七つの子」
・山田耕筰 「赤とんぼ」
・マクダウェル 『忘れられたおとぎ話』 op.4
・モーツァルト 「トルコ行進曲」
・ピアソラ 「リベルタンゴ」
・シューマン 『こどもの情景』op.15より「トロイメライ」
・フランス民謡 「きらきら星」
・フォーレ 「エレジー」op.24
・シューベルト 『冬の旅』 op.89 D911より「菩提樹」
・シベリウス 『樹木の組曲』 op.75より「第5番 樅の木」
・ブラームス 『3つの間奏曲』 op.117 「第2番 変ロ短調」
・グノー 「アヴェ・マリア」
・スタイン 「レット・イット・スノー」
・トーメ 「ザ・クリスマスソング」
・チャイコフスキー 『四季』op.37より「12月 クリスマス」
・ウィリアムズ 『ヴィオラのための組曲』Group1
・アンコール 「聖しこの夜」
演奏者が終始無言で厳粛で張りつめた空気のホールコンサートと違って、気楽な雰囲気で、曲にまつわるエピソードやクリスマスの思い出などのMCもまじえたサロンリサイタルです。でも演奏技術はしっかりしたもので、今回は明利さんのピアノがジャジーで新鮮でした。「ヴィオラは秋の音色」っていう話もうなづけた(あ、ブラームスのop.117は僕には春のイメージです)。
シューマンやブラームスなどの日頃親しんでいる曲を現代的な解釈で聴けるのも楽しいですが、数少ない(?)ヴィオラソロ作品を毎回手島さんが発掘してきてくれるので、知らなかった音楽に触れることができるのもこのシリーズならでは。ヴォーン・ウィリアムズははじめて聴きましたが隠れた名曲でした。
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