2011年2月6日日曜日

呼吸

立春を過ぎて、寒さがだいぶやわらぎました。二月最初の土曜の夜、下北沢のleteさんへ。triola弦楽コンサート"Resonant #3"を鑑賞しました。

昨年夏、ニュートロン東京で共演して以来、10月12月、今回と2ヶ月毎にtriolaを聴いていますが、毎回微妙に異なる表情を見せて楽しませてくれます。

昨年末の関西東海ツアーは連日連夜のハードな日程でした。また都内でも数々のステージをこなしていますが、それらを経て、アンサンブルが以前より更に強固なものになってきたように感じます。ブレークのタイミングひとつとってみても明らかに。たとえていうならば「対話」から「呼吸」へと。

以前のライブでは、波多野敦子さん(AB型)のヴァイオリンがとにかくタテノリで、手島絵里子さん(A型)のヴィオラが均した土台にガツガツとツルハシを打ち込んでいるような印象でしたが、今回の何曲かで波多野さんは、意識してか、無意識か、ところどころタメの効いたリズムも使いながら、より大きなグルーヴをつかもうと模索しているかのよう。

今回は歌ものも2曲。自作のワルツとバート・バカラックの"(They long to be) Close to you"。カーペンターズのヒット曲のカバーです。雨の日に外で遊べなくてすねている子どもみたいなヴァイオリンの音色とは打って変わって、波多野さんの歌声には不思議な包容力があります。息の多いウィスパーヴォイスでありながらソウルフル。そして、暖炉に当たりながら静かに本を読んでいるような、安定感のある手島さんのオブリガート。

波多野さんのバリシルクのサテンのカーゴ・スカートのマリンブルーと、手島さんの真赤なカットソーの色彩の対比の鮮やかさそのままに、肖像音楽をはさんで12曲が演奏されました。

次回leteのライブは3月19日(土)。波多野さんのソロアルバムのリリースパーティということで、ジャケットを手がけた染色作家吉田容子さんも加わって、いつものtriolaとは違うパフォーマンスが見られそう。楽しみです!

 

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