2022年1月16日日曜日

クライ・マッチョ

晴天。ユナイテッドシネマ豊洲クリント・イーストウッド制作監督主演映画『クライ・マッチョ』を観ました。

1980年、合衆国テキサス州。二歳馬の試合で五連覇という伝説的な記録を持ちながら、落馬して負った怪我が原因で引退したロデオスターのマイク・マイロ(クリント・イーストウッド)は、酒と薬に溺れていたが、妻と息子を交通事故で失い、質素な暮らしをしていた。

そこにかつての雇い主ハワード・ポーク(ドワイト・ヨアカム)が訪ねてくる。ニューメキシコシティに行って、別れた妻レタ(フェルナンダ・ウレホラ)から息子ラフォ(エドゥアルド・ミネット)を連れ戻してほしいという依頼をマイロは受ける。

路上で暮し闘鶏の稼ぎで生計を立てる13歳のラフォをマイロは見つけ、年の差78歳のふたりの珍道中が始まる。

イーストウッドは91歳、本作品で監督40作目。同監督の近年の名作『グラン・トリノ』(2009)や『ジャージー・ボーイズ』(2014)と比較すると人物造形が甘くプロットに綻びがあり演出も緩いですが、ほのぼのロードムービーとして、エンターテインメントとして成立しているのは流石です。

携帯電話もGPSもまだない1980年という時代設定も効いています。砂漠でピクニックしていたら車を盗まれたり、たまたま逃げ込んだ安食堂の女主人(ナタリア・トラヴェン)といい雰囲気になって、雨宿りした礼拝堂に朝食を届けてくれたり、ロデオの腕を活かして野生馬を調教していたら住民たちがこぞって動物を診てもらいに来てドリトル先生みたいになったり。レタの用心棒(オラシオ・ガルシア・ロハス)に追われているのにとにかくのんびりなんですよね。

ラフォの相棒である闘鶏のマッチョがいい芝居をしています。アクションシーンやカーチェイスをここが見せ場とばかりにだらだら引っぱらず、秒で終わらせるのはとてもいいと思いました。


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