2009年5月16日土曜日

蓋を開ける

三軒茶屋のカフェRAIN ON THE ROOFで5月17日(日)まで開催されているイシカワアユミ作品展『庭』'09「根っこの記憶」を観に行きました。http://www2.tba.t-com.ne.jp/2beans/2b-garden4.htm

イシカワさんは何度か共演させていただいたことのある女子二名のポエトリーユニットstereo sistersのメンバーでもあります。

壁に作りつけの小棚に、同じ大きさの木製の箱が十数個。言葉が印刷されたしわ紙が入っている木箱、版画で絵が描かれた小石が入っている木箱が交互に並び、それぞれの木箱の蓋を開いて中身を見る、見終ったら蓋を閉じて次の箱へ、というアナログなぬくもりのあるインスタレーション作品です。

ただ展示されている作品を見るというだけでなく、蓋を開く、閉じるという動作がそこに加わることによって、鑑賞者それぞれの時間と空間に作品が溶け込んでいくような、不思議な温度を感じました。中身によって軽い箱もあれば重い箱もあり、フィジカルに繊細に訴えるかける。来週から下北沢のcafe viet arcoで開催される「音庭」も楽しみです。

夜は自宅近くのシネコンで、クリント・イーストウッド監督主演『グラン・トリノ』を鑑賞。イーストウッド演じるポーランド系偏屈じいさんの隣家に住むモン族の姉弟スーとタオがとにかくチャーミングです。モン族は中国、ラオス、タイ等に住む山岳民族で、ベトナム戦争で米軍に協力したために現在の政権から亡命して米国中西部にコミュニティを形成している。

グラン・トリノというのは主人公がかつて工場でその一部を組み立て、いまも大切にしているフォード車の車種名です。中盤爆笑シーンがたくさんあって、エンディングは苦さの中に希望が見える映画でした。
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/

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