2018年10月7日日曜日

3K12 ~3人のKによる詩の朗読会~

10月の真夏日。東京メトロ千代田線で千駄木まで。芸工展期間中の三連休はお天気にも恵まれて賑わう谷根千界隈。古書ほうろうさんで『3K12 ~3人のKによる詩の朗読会~』が開催されました。

実に12年ぶりの3Kでしたが、奇跡のリユニオン! みたいな風にはしたくなかったので、ほうろうミカコ画伯デザインのフライヤーも2部構成のタイムテーブルも当時からの継続性を重視しましたが、ありがたいことに初めて3Kに来たというお客様が半数以上でした。

一番手は小森岳史。2015年のTEENS KNOT REVUE以来、3年ぶりに聴く朗読は、スタート時こそ若干の戸惑いが見られましたが、最近にないエモーショナルなパフォーマンスで「あー、これが3Kだよ」という感じ。新作の長編散文詩「空港(ターミナル)」の淡々とした中に苛立ちを滲ませる描写は彼の最も得意とするところだと思います。

二番手は究極Q太郎。昨年秋のTQJ、今年1月の「銀河鉄道の昼」では、どちらかというと朗唱的な抑揚あるパフォーマンスでしたが、意識的なのか無意識なのかかつての3Kに寄せるようにストレートな朗読に回帰している。散歩依存症もあり身体を絞ってきたQさん。全て新作でセットを構成しているのもライブ復帰後の充実度を物語っています。

三番手はカワグチタケシ。1部は3K11以降に書いた詩を中心に6篇を朗読しました。

1. 無題(出会ったのは夏のこと~)
2. ケース/ミックスベリー
3. 風の通り道
4. 無重力ラボラトリー
5. 花柄
6. 風のたどりつく先
**
7. 童話(究極Q太郎)
8. キャッチアンドリリース(小森岳史)
9. fall into winter

インターバル明けの2部はQさんの新詩集『秋津の散歩 ~散歩依存症~』と小森さんの詩集『みぞれ』、自作『ultramarine』から1篇ずつ。

そしてQさん、小森さんとバトンを繫ぐ。タイムキープを気にしてどんどん早口になり詩行を端折るQさん、2000年のオレたちのアンセム「アムステルダム」でテンションにフィジカルが追いつかずつんのめる小森さん。そのリアルな姿には、感慨や懐古よりも現在を生きる詩と詩人の声のアクチュアリティを強く感じました。

2000年当初から、私生活で特に仲が良いわけでもなく、ライブ当日以外に顔を合わせることもない2人ですが、作品とパフォーマンスは本当にリスペクトしており、心底信頼できます。

ひとり(もしくは複数)の知性と情熱が注がれ、また読者から次の読者へ手渡されるのを待つ書籍たちに囲まれて朗読できるのは最高です。快く会場を提供してくれた古書ほうろうさん、ありがとうございます。

そして熱心な眼差しと機智を持って3Kの詩を受容してくださったお客様、どうもありがとうございました!


0 件のコメント:

コメントを投稿