予報ほどひどい雨にはなりませんでした。文京区白山のJAZZ喫茶映画館で開催された TQJ Poetry Reading Live にご来場のお客様、映画館のマスターと絹子さん、共演者のおふたり、皆様どうもありがとうございました。
晩秋の短い日が暮れかかる3時半に始まり、5時少し前に終演する頃にはあたりは冷たく湿った宵闇に包まれていました。われわれ3人のポエトリーリーディングショーをお楽しみいただけたのなら幸いです。
究極Q太郎氏に初めて出会ったのは2000年6月、西荻窪にあったブックカフェHeartland。東京都の半透明ゴミ袋にアコースティックギターを無造作に突っ込んで、足元は健康サンダル、という姿に衝撃を受けました。今日のQさんはコンビニレジ袋に自分で製本した詩集を目一杯詰め、それを左手に提げたまま朗読するというストロングスタイル(画像)。
10年のブランクで「段取りを忘れて」と言っていましたが、いまだかつて段取り通りのパフォーマンスをしたところを見たことがない。愛すべきキャラクター。生来の品の良さと知性、イデオロギーと抒情。高い技術を持ちながら自ら進んで壊しにいく。ああ、この感じ!!
ジュテーム北村氏の長尺のリーディングを聴くのはひさしぶりです。西脇順三郎から三角みづ紀さんまで、大正~昭和~平成の日本現代詩クロニクルに、究極Q太郎、カワグチタケシ、ジュテーム北村自作詩を織り込んだコンセプチュアルなパフォーマンスアート。緩急をつけたドライヴ感とグルーヴで一気呵成に濃密な時間を構築し、空間を支配する声。
僕のセットリストは以下8編です。
・幾千もの日の記憶/究極Q太郎
・無題(なぜ殺してはいけないか)/ジュテーム北村
・都市計画/楽園
・観覧車
・水玉
・花柄
・fall into winter
・第一のフーガ(二声による)/ウンベルト・サバ(須賀敦子訳)
サバのフーガは3人で輪読しました。また「水玉」と「fall into winter」はジュテさんにもカバーしてもらったので、2人のリズムや呼吸、解釈の違いが際立って面白かったのではないでしょうか。
加齢とともに意図せず出てくる大御所感を如何にして消すか、というのが昨今の課題でもあったのですが(笑)、ノスタルジーやセンチメントに流れず、アクチュアリティを持ち、且つ質の高いエンターテインメントを提供することができたのではないかと思います。
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