今日は映画の日。ユナイテッドシネマ豊洲でウディ・アレン監督作品『ローマでアモーレ』のアンコール上映を観ました。スラップスティック・コメディの大傑作。はじめからおわりまで笑いっぱなしでした。
『ミッドナイト・イン・パリ』『恋のロンドン狂騒曲』とEU3部作ってことになるのでしょうか。ローマの美しい町並みを背景に繰り広げられるドタバタ恋愛騒動。4つのストーリーが並行して進み、基本的に交差することはありません。
交通整理をする警察官がスクリーンのこちら側にいる観客に突然話しかける冒頭のシーンからウディ・アレンの文脈に引き込まれる。イタリア人弁護士ミケランジェロ(フラヴィオ・パレンティ)と恋に落ちるアメリカ娘(アリソン・ピル)。その父親(ウディ・アレン)は引退した前衛オペラの演出家。神経質で小心者で口が悪い。
ミケランジェロの父親(ファビオ・アルミリアート)がシャワーを浴びながら歌うテノールにほれ込みオーディションを受けさせるがあがってしまい失敗。シャワーを浴びながらでないと上手に歌えないとわかり、オペラ(レオンカヴァッロの『道化師』)の舞台装置に実際にお湯の出るシャワーを設置し、その中で歌わせたところ大喝采を浴びる。
別のエピソードに出てくる売れない女優モニカ(エレン・ペイジ)のサブカル女子っぷり。モダンアート、建築、文学、映画、音楽のメインストリームからは若干ずれるがマニアック過ぎない美味しいところだけ会話の端々に挟んでサブカル男子を虜にする。こういう女子もそれに夢中になる男子も世界共通なんだなあ、と微笑ましい気持ちになりました。で、そのサブカル男子が『ソーシャル・ネットワーク』でマーク・ザッカバーグ役を演じたジェシー・アイゼンバーグというのも洒落が利いている。
そして、ロベルト・ベニーニは本当に芸達者。自らの底意地の悪さを最上級のエンターテインメントに昇華した78歳のウディ・アレンに心から拍手を贈りたい。どうか長生きしてこういうしょうもなくも楽しい映画を撮り続けてもらいたいです。
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