先週末の積雪がまだ残る東京に今朝も粉雪が舞いました。銀座七丁目のギャラリー、シャトン・ド・ミューで開催中の佐久間真人展『街の子猫の乗換案内』を鑑賞しました。
佐久間さんは愛知県在住のイラストレーター。毎年2月に銀座の画廊で個展を開きます。お知らせの葉書が届くと、今年の冬も後半だなあ、と思います。
会場のシャトン・ド・ミューは銀座の裏通りにある猫専門のギャラリーです。昨年まではボザール・ミューという名前でした。オーナーがご高齢で引退し、閉廊を惜しんだ猫画の作家さんたちが共同出資して引き継いだそうです(ギャラリーのスタッフも作家さんが交代で担当しています)。
佐久間さんは、書籍の表紙や雑誌の挿画を多く手掛けているので、その名はご存じなくても本好きの方なら彼の作品はどこかで目にしていると思います。個展ではそれらの原画に加え描き下ろしの大判の作品を観ることができます。ノスタルジックな街並み、路面電車、猫。ソフトな中間色を用いた、リリカルで細密な表現が魅力です。
最近は電子書籍の表紙絵の発注もあるそうです。時代ですね。本との違いをご本人に尋ねると「帯がかかることを気にしなくていいから、下まで目一杯使って描くことができますねー」とおっしゃっていました。電子書籍リーダーの仕様なのでしょうか。通常の書籍の判型とは縦横比が異なるんですね。
書籍という枠組み、同じ構図で昼夜2枚の作品、毎年決まった時期に決まった場所で開く個展。敢えて自他からの制約を設けたなかで、表現を継続的に追求するスタンスには強いシンパシーを感じます。
佐久間真人展『街の子猫の乗換案内』は2月16日(日)まで。お近くにお出かけの方は是非!
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