路肩に薄汚れた雪が積み上げられた下北沢南口商店街から左折してピュアロードを抜けた先。Workshop Lounge SEED SHIPで、25回目のPoemusicaが開催されました。
梨田真知子さんはPoemusica Vol.1以来、2年ぶりの出演です。はじめて彼女が歌うのを聴いたのもSEED SHIP。2011年3月のチャリティライブ "Lights of Hope" でのことでした。一度聴いたら忘れられないその声にすっかり夢中になり、しばらくライブに通いました。とにかく無口でストイックな印象でしたが、3年経ってすこしだけ柔らかみが出たように思います。ギターにも安定感が増して、MCの声は相変わらず小さいけれど、それをネタにする余裕もできました(笑)。
中村ピアノさんが在籍し昨年末に解散したピアノトリオpiqueのライブにも何度かお邪魔したことがあります。彼女は2012年9月以来のPoemusicaです。清濁まぜこぜな乙女心をノスタルジックな旋律に乗せて、ポップにキュートにガーリィに歌うスタイルはソロに戻っても健在。不協和音の使い方にセンスがあって、ちょっと毒のある歌詞をよく引き立てる。パープルのサテンの大きなリボン、動物柄のアンティークのブラウス、ブラックチュールのスカート、振り切ったスタイリングもチャーミングでステージ映えします。
唄子さんは4回目のPoemusica。すっかりおなじみのメンバーになりました。ふざけて「準構成員」なんて呼んでいます。身のこなしが優雅で憂いがあって、でも意外なくらいピュアなところもあり、それがそのまま彼女の音楽になっています。今回は長調の曲が多かったせいか、風通しの良さはいままで聴いたうちでは一番でした。「糸」をテーマにした新曲ふたつも美しかった。表現に迷いがないっていいなって、彼女に会うといつも思います。
そしてPoemusicaには初登場の二瓶寛史さん(画像)。素晴らしかった。溢れるエモーションをそのままに、叩きつけるような歌詞と歌。ブルージィでワイルドでスケール感のある演奏。ギター1本と声だけでラウドなロケンローを体現しています。かといってやかましいだけではなく、泣かせどころをわきまえたソングライティング、少年ならではのシャイなセンチメンタリズムも心地良く、客席を惹きつける。僕もどきどきしながら聴いていました。ステフアンドジミーというスリーピースバンドのフロントマンです。是非注目してもらいたい。
僕は「クリスマス後の世界」「声」「Winter Wonderland」「新しい感情」を朗読しました。Poemusicaはお客様にとっては新鮮な表現に触れる場所であると同時に、出演者同志の出会いの場所でもあり、そこにいるひとりひとりが自分の中に新しい感情を見つける場所であってほしいと願っていますが、今回ひさしぶりに共演した2人が空間に馴染んでいるのを見て、ここにまた戻ってくるのを楽しみに思ってもらえるような場所であれたらいいな、と思いました。
次回、Poemusica Vol26は3月20日(木)です。これまた素敵なブッキング。是非!
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Poemusica Vol.26
日時:2014年3月20日(木) Open 18:30 Start 19:00
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
yoyaku@seed-ship.com
料金:予約2,300円 当日2,500円(ドリンク代別)
出演: まえかわとも子 with Rie *Music
ちみん *Music
桂有紀乃 *Music
カワグチタケシ *PoetryReading
他
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※2/28追記:昨年末Enishipで共演した桂有紀乃さんが出演者に加わりました。うれしい。
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