中村佳穂さんは京都から来た21歳。自己紹介のMCから流れるように曲に。どこまでがアドリブでどこが作曲されたものなのか、つなぎめなく溢れ出すメロディ。身近な欺瞞に対する呪詛から、バース、コーラスと一気呵成駆け上がるときの澄み渡る高音の爽快感。後半はバリトンサックスの山本健二さんが加わって、更にジャジーに。自由に音楽を紡ぐ姿は本当に楽しそうでした。
鳥井さきこさん(画像)。重心の低い安定したフィンガーピッキングは、ギブソンのやや控えめな音色によく似合います。けっして声を張ることなく、淡々と歌うのですが、声そのものに包容力があって、アイロニィたっぷりな歌詞なのにとても優しく響きます。東京五輪の歌、よかったな。この日、鳥井さんは吉野弘の詩に高田渡が曲をつけた「夕焼け」を歌いました。吉野さんの訃報が届いたのはその翌日のことでした。
松本暁くんのステージ。前半はビートの効いたポエトリー・リーディングで会場の空気をあたためながら、ときどきくすりとしたり、ちょっと考えさせられたり。後半は椅子に掛けてじっくりと訊かせます。ブログではポリティカルなステートメントを明確に打ち出す彼ですが、作品にはそっと忍ばせる。その手法と技巧に品があって、僕は好きです。旅人の話はいつも面白い。
僕の前半は「声」、中村さんの電車の窓を水族館に喩えた歌詞を受けて、もうひとつの「声」「月の子供」、新作「観覧車」。後半は「コインランドリー」、去年ベルリンに移住した今日が誕生日の友人に向けて「バースデーソング」を朗読しました。
午後のSEED SHIPは、天井まで届く大きなガラス窓から午後の陽が差し込んで、演奏するミュージシャンも客席のみなさんの顔も光に溶け、まるで水族館にいるみたい。心地良い時間を過ごし、その明るさと暖かさを連れて、詩の教室に向かいました。
次回のPoemusicaは3ヶ月ぶりの木曜夜。今度もナイスブッキング!
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Poemusica Vol.25
日時:2014年2月20日(木) Open 18:30 Start 19:00
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
yoyaku@seed-ship.com
料金:予約2,000円 当日2,500円(ドリンク代別)
出演: 中村ピアノ *Music
唄子 *Music
梨田真知子 *Music
二瓶寛史(ステフアンドジミー) *Music
カワグチタケシ *PoetryReading
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