2013年2月21日木曜日

Poemusica Vol.14

昼間の日差しはずいぶん明るくなりましたが、夜はまだまだ冷えますね。下北沢Workshop Lounge SEED SHIPにて"Poemusica Vol.14"が開催されました。

「女子シングル自由形ピヤノ弾き語り」の鈴木亜紀さん。こういう印象に残るキャッチフレーズっていいな。ピアノじゃなくてピヤノっていうのもいい。2年前に同じ会場で聴いたときはスレンダー眼鏡美人と思ったのですが、楽屋で隣に並んだら本当に小柄で華奢。でもピアノに向かって歌うと大きく見える。一曲目「ハムカツサンド」から客席の心を掴み、奄美竪琴をフィーチャーした「うらしまたろ子」、最終曲「人のいろいろ」まで、一気に聴かせる。軽やかで柔らかい音色のピアノに凛としたアルトがよく響いていました。

そして敬愛するエミ・エレオノーラさん(画像も)。各曲前のMCが「先日男子とデートしまして、」で始まり、そこから曲に滑らかにつなぐスキル。東京アンダーグラウンドシーン最高のエンターテイナーです。今夜のテーマはドM女の悲恋? なかでもひどかった(笑)のは「山」。恋人に山中に置き去りにされる女心をドラマチックに歌い上げた名曲です。シアトリカルなパフォーマーは、得てしてどこか演奏に妥協があったりするものですが、それが一切無いのがエミさんのすごいところ。クラシック、ジャズ、現代音楽、ルーツ・ミュージックをすべて包括してガツンと鳴らすピアノはどこまでもクリア。オリジナル訳詞の「センチメンタル・ジャーニー」「愛の讃歌」と2曲のカバーも完全にエミ・ワールドの構成要素になっていました。

インド帰りの松本暁さん11月に続いてPoemusicaは二度目の登場です。前半は静かなユーモアとインテリジェンスを湛えて。エミさんのあとのトリは難しい空気でしたが、一転してビートの効いたグルーヴィなリーディング、堂々たるパフォーマンスで座を締めくくりました。すとんと届く良い声で、言葉遊びを交えたリフレインと見せて、最後にふっと思考を異化させる。お見事でした。

僕はまずアカペラで、来月発売予定の新詩集『新しい市街地』から「星月夜」と「ボイジャー計画」。そしてエミ・エレオノーラさんのピアノに乗せて「Doors close soon after the melody ends」。実は2009年2月に初めて朗読したときもエミさんと共演していたという思い出深い詩です(地震や津波のことを書いたのかと訊かれることがありますが、東日本大震災より前の作品です)。

なんだか今月のPoemusicaはたくさんの愛を感じました。言葉に対する愛、音楽に対する愛、声に対する愛、いろんな愛が音になって、SEED SHIPの白い空間をきらきらと輝かせているみたい。幸福な夜でした。

さて、次回のPoemusicaは3月21日(木)です。2組のスペシャルなコラボレーションをお楽しみください!

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Poemusica Vol.15
日時:2013年3月21日(木) Open 18:45 Start 19:15
会場:Workshop Lounge SEED SHIP
    世田谷区代沢5-32-13 露崎商店ビル3F
    03-6805-2805 http://www.seed-ship.com/
料金:予約2,800円 当日3,000円(ドリンク代別)
出演:平井真美子(Piano) × 神田サオリ(LivePainting)
    LittleWoody Band(Music) × カワグチタケシ(PoetryReading)

※今回は開場開演時間が変則的です。ご注意ください。
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