2023年2月20日月曜日

BLUE GIANT

月曜日。ユナイテッドシネマ豊洲立川譲監督作品『BLUE GIANT』を観ました。

広瀬川の河川敷でテナーサックスを練習する宮本大(山田裕貴)は18歳。停めた自転車に雪が降り積もる。高校を卒業した大は仙台駅で高速バスに乗りジャズの修行をするために単身東京へ向かう。高校の同級生で東京の大学に通う玉田(岡山天音)のアパートに居候して運河沿いの橋脚の下で練習し、東京中のジャズスポットを訪ねる。

ジャズクラブで聴いた雪祈(間宮祥太郎)のピアノに衝撃を受け、隣り合わせたトイレで声をかける。宮城県大会ベスト8まで勝ち進んだ玉田は大学のサッカーサークルのぬるさに馴染めず辞め、河原で練習する大に合わせて空缶を叩くうちにジャズに目覚めドラムを始める。そして3人はベースレストリオJASSを結成する。

「音楽は音楽以外の何をも表現しない」と言ったのはクラシックの作曲家ストラヴィンスキーですが、この映画はまさにそれを体現していて素晴らしいと思いました。ジャズにはつきものの、ドラッグ、アルコールは主人公たちが未成年なこともあって除外され、恋愛要素もゼロ。我々観客もひたすら音楽に向き合うことになります。

作曲・ピアノが上原ひろみ、テナーサックスを馬場智章、ドラムスを石若駿が当て、ジャズの熱さ、激しさがスクリーンからほとばしる。音楽アニメにありがちな演奏中のモノローグを排し、音の輝きやうねりのダイナミックな表現、演奏者の脳内で時折起こる回想は映像のみでインサートする演出も効果的でした。

上記3名の現役ミュージシャンのロトスコープをモーションキャプチャーした3DCGは正直しょぼくて、キャラクターの体形がセルタッチと変わってしまうところは残念ですが、それをもっても有り余る「音楽」の圧倒的な存在感。

声優陣では、天才と組む初心者玉田の葛藤を演じた岡山天音がはまり役です。ジャズのみならず東京藝大でクラシックの打楽器も体系的に学んだ石若駿が、初心者が下手に叩く感じのリアル感とすこしずつ音楽家として成長していく玉田を音で存分に表現しています。

主人公の大がテナーサックスを練習する橋脚下が晴海大橋の新豊洲側でユナイテッドシネマのあるららぽーと豊洲が背景に映り込むのもテンションが上がりました。

 

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