2022年2月11日金曜日

ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート


1969年1月30日の朝、ロンドンのサヴィルロウ街にあるアップルレコード本社の屋上で行われたザ・ビートルズのゲリラ演奏はバンドとして最後のライブパフォーマンスになった。

もともとは1970年公開の映画『レット・イット・ビー』(マイケル・リンゼイ=ホッグ監督)のための撮影であったが、昨秋Disney+で公開された8時間のドキュメンタリー配信番組『ザ・ビートルズ:Get Back』のためにピーター・ジャクソン監督が再構成、デジタルリマスターした。その一部であるルーフトップ・コンサート部分がIMAXシアターで5日間限定上映されるということで、早起きして観に行きました。

約60分の映画の冒頭15分はヒストリー紹介です。1956年に当時16歳のジョン・レノンが15歳のポール・マッカートニーを誘ってザ・クオリーメンを結成、14歳のジョージ・ハリスンが参加し、ザ・ビートルズになり、地元リバプール最高のドラマーリンゴ・スターが加わる。独ハンブルグ時代、1963年のレコードデビュー、世界的成功、1966年のツアー休止、レコーディングアーティストとして芸術性と名声を同時に極める。

ルーフトップコンサートの本編で演奏されるのは"Get Back" "Don't Let Me Down" "I've Got a Feeling" "One After 909" "Dig a Pony"の5曲で、"Get Back"は3回、"Don't Let Me Down"と"I've Got a Feeling"は2回繰り替えされます。

僕自身は、物心ついたときには既にバンドは解散していましたし、オリジナルアルバムは一通り聴いて、好きな曲がいくつもありますが、"Let It Be" はさほど愛聴するアルバムではなく、"Get Back" のギターソロってジョージじゃなくてジョンが弾いていたのね、とこの映画で知る程度のライトなファンです。

IMAXの大画面、高音質の大音量で聴くザ・ビートルズの4人とエレピのビリー・プレストンの演奏にはフレッシュな弾力性があり、この頃って不仲で一触即発なんじゃなかったっけ、というぐらいバンド演奏の楽しさに溢れている。レッド・ツェッペリンキング・クリムゾンも既にデビューしていた1969年におけるロックンロールの在り方という問いに対する彼らなりの答えがそこにあるように感じました。

騒音の苦情を受けてロンドン市警の制服警察官2名が制止に来ます。まだ頬の赤い若い警官のなんともいえない表情が印象的です。ビートルズの音楽が好きな気持ちと公務を果たさねばならない責任との間で葛藤しているように僕には思えます。

映画撮影時、ジョン・レノンとリンゴ・スターが28歳、ポール・マッカートニー26歳、ジョージ・ハリスン25歳。同時に撮影されたアルバム "Let It Be" のジャケットの顔写真はどう見てもアラフォー以上です。ザ・ビートルズの7年間が良くも悪くもどれだけ濃密な時間だったのか、思いを馳せずにはいられませんでした。

 

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