2016年12月1日木曜日

TRIOLA a live strings performance

師走初日は雨上がりの木曜日の夜。下北沢leteへ。TRIOLAを聴きに行きました。波多野敦子さん(作曲、5弦ヴィオラ)と須原杏さん(ヴァイオリン)。長いブランク経て7月に新編成になってから3度目のワンマンライブです。

アンティークな木製のドアを開け、小さな木箱のようなleteに入ると誰もいないステージから微かに流れるドローンの荘厳な響き。開演時刻にふたりが登場し、波多野さんがスイッチを踏んで和音は唐突に打ち切られる。

そして立て続けに新曲をふたつ。以前のハードエッジなリフを基盤にした楽曲から更に細分化されたポリリズムで展開が読めない。中世の細密なエッチングめいた感触。かと思えば、阿波踊りあるいはウェスタン調に飛び跳ねる疾走感も加わり。

スイートでメロウな旋律を持つ過去の楽曲も容赦なく解体する手際の生々しさ。一方で、ループには白日夢を思わせる深いリヴァーヴがかけられている。実験的でありながら思いがけない美しさも併せ持つノイズ/アンビエント。

波多野さんのエッジの利いたヴィジョン/イマジネーションと杏さんの確かなプレイヤビリティが、他には聴いたことのない音楽を実現している。生楽器、生演奏のインタープレイはライブで体感すべき現在進行形の音楽と言えるでしょう。

小文字表記のtriola時代の色彩からこの5ヶ月間で脱け出し、新しいフェーズにシフトしたことが明らかに分かります。聞けば来年からユニット名を改め、アルバムのレコーディングを経て、春に再々始動するとのこと。2017年の彼女たちの動向に注目したいと思います。



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