ユナイテッドシネマ豊洲で、三池崇史監督作品『十三人の刺客』を鑑賞。 雨だし、公園でお弁当ってわけにもいかないので、映画でも。という軽い気持ちで観に行ったのですが、圧倒されました!
1963年の工藤栄一監督、片岡千恵蔵主演映画を役所広司主演でリメイク。 人物造型、心理描写、衣装とメイクアップのリアリズム、スピーディで簡潔な演出と息をもつかせぬアクション、照明、カメラ、音声、いずれも高水準で、しかも調和のとれた150分間の極上痛快時代劇エンターテインメント。 残虐なカットも多数ありますが、しっかりとしたストーリーのなかに必然性を持って組み込まれているので、目を背けることができませんでした。
武士の生き方、死に方なんていうのには、まったく共感できるものはありませんが、そのあたりを伊勢谷友介演じる木賀小弥太にさりげなく代弁させる念の入りよう。恐れ入りました。オリジナル版では山城新吾が演じていたというこの小弥太というキャラ。山でうさぎや昆虫を食べて暮らしている野生児なのですが、斬られても斬られても蘇る、妖精のような存在で、物語に不思議な深みを添えています。
ラスト30分以上に及ぶ殺陣。このシーンにBGMを重ねて盛り上げず、人の声と刀の音だけで構成した音声で、戦闘のリアルさ、刀傷の痛みがよく伝わってきます。市村正親、松本幸四郎、平幹二郎のベテラン勢、悪役の稲垣吾朗、みんなよかったですが、特に松方弘樹の俊敏で華やかな殺陣はさすがの貫録でした。
それから、古田新太。戦隊モノでいえば食いしん坊イエロー役。時代劇だとやっぱり槍の使い手ですよね。
オリジナル版もぜひ観てみたいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿