2025年10月29日水曜日

ONE IN A MILL10N

TOHOシネマズ日比谷WASABIMAYO監督作品『ONE IN A MILL10N』を観ました。

K-POPガールズグループの王道にして至高、去就の激しい韓国芸能界でひとりも欠けることなく今年デビュー10周年を迎えた9人組TWICEのドキュメンタリーフィルムです。

ナヨンチェヨンモモサナジヒョツウィダヒョンミナジョンヨン の順にソロインタビューのリレー。その合間に、J.Y.パークほかスタッフのコメント、ライブの断片とグループのオフショットが挟まる構成は、マッキントッシュのカラフルなデスクトップ画面のフォルダを開くとチャプターが進む演出がポップでキュート。

ナヨンの圧倒的センター感、アーティスティックでエキセントリックなチェヨン、モモのダンススキルの確かさ、底抜けに明るく涙もろいサナ、どっしりとしたアンカー役を自ら選んだジヒョ、愛され末妹ツウィ、同級生感あふれるダヒョン。全員かわいい、というデビューから9人それぞれ異なる尖った部分を磨いて、グループに還元してきた10年間だった。

韓国では一般的な7年契約を、紆余曲折がありながらも、揃って更新したことで醸し出される戦闘美少女たちの戦いの果ての平穏と強い絆。ビバリーヒルズの豪邸のプールサイドや雪山のコテージで9人がクッションを抱いてわちゃわちゃと他愛のないガールズトークを繰り広げるカットは心あたたまります。

内気に見えて大胆。水中撮影を希望し、水圧で鼻血を出しながら、この世ならぬ美しい姿を見せたミナ。そしてなによりジョンヨンの存在がTWICEを特別なグループにしていると感じました。

元々はショートヘアのボーイッシュ担当だったジョンヨンは、2020年に椎間板ヘルニアとパニック障害を併発し、投薬されたステロイド剤の副作用で太ってしまう。ボディポジティブの概念が浸透しつつあるアメリカとも、幼さや未熟さに価値を置く日本とも違い、アイドルに完璧なビジュアルを求める韓国においてビハインドでしかない状況下、ジョンヨンがステージに立ち続けることをメンバーもONCE(TWICEのファンネーム)たちも強く希望し、実力で跳ね返した。それは友情や絆ゆえの決断でもあるが、結果的にルッキズムを超克した未来のK-POPグループ像を示しており、その器を自らの手で掴んだのはTWICEの強さなのだと思います。

 

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