2019年7月14日日曜日

ノラバー2周年

長梅雨。西武新宿線西武柳沢駅徒歩数分。出演者として、オーディエンスとして、喫茶店の客として、いつも大変お世話になっているノラバーさんの開店2周年のお祝いに行きました。

ノラバーの通常営業ライブは11名限定ですが、昨年の1周年と同じく今日は無制限。17時のライブ開演の5分前に着くと、既に20名近いお客様でぎっしり。赤いカウンターテーブルにはおなじみのお料理が大皿でどっさり。飲み放題食べ放題です。

真っ赤なサテンのドレスの橋本安以さん(ヴァイオリン、弦楽アレンジ)、乱反射するおびただしいパーツを纏ったエビ子・ヌーベルバーグさん(ヴァイオリン、ボーカル)、店主ノラオンナさん(声とウクレレ)の3人がカウンターの内側に並び、ノラさんのオリジナル曲「少しおとなになりなさい」から演奏が始まりました。

4月21日の「ノラオンナ53ミーティング~ めばえのぬりえ~」の1部と同じ編成ですが、吉祥寺スターパインズカフェのゴージャスな音響とは対照的に、至近距離で鳴らされる生音がくっきりとした遠近感をもってダイレクトに届きます。ノラさんのスタンダードな旋律に安以さんの清潔であたたかな弦楽が彩りを添える。

大箱の特別なワンマンライブでスペシャルな編成をするミュージシャンは多いですが、一度きりだからいい、と、もう一回聴きたいな、の両面がありますよね。再現性という意味でノラさんのサービス精神を感じ、またそれは大皿に盛られたお料理にも共通しているように思えます。

更に、お客さんで来ていた水ゐ涼さんがリリカルなピアノを即興で重ね2曲のカバー「赤いスイートピー」のエビ子さんのコーラスワーク、「夢で逢えたら」では4声のハーモニーで魅了しました。

終盤は「流れ星」「やさしいひと」「めばえ」の流れで珠玉のメロディを惜しげもなく。アンコールは「メキシコ」の歌詞を「ヤギサワ」とご当地ソングに替えて盛り上げます。

リスニング環境として、尋常ならざる「近さ」をどう味方につけるのか、というのは僕自身がノラバーでライブをするときにも試行錯誤し、また最も面白みを感じるところですが、その近さを気にせず、逆に近いが故に、音楽を純粋に楽しめた。ということが今日一番の収穫でした。


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