2018年12月1日土曜日

ANEMONE 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション

2018年最後の映画の日。ユナイテッドシネマ豊洲京田知己監督作品『ANEMONE 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』を観ました。

劇場版『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』三部作の第二部にあたる本作の舞台は2028年12月の東京湾岸。前作の前日譚。7歳の少女石井風花アネモネ(玉野るな)は特殊潜入部隊長の父(内田夕夜)を亡くす。人類を滅ぼす謎の生命体スカブに、東京湾内に設置された風の塔と呼ばれる施設からダイブしたのだ。

その7年後、父と同じ国連生存権防護事務局スカブ戦略歩兵師団(UN ASSID)で戦闘員となったアネモネ(小清水亜美)はスカブとの戦闘で14年ぶりの人類側の勝利に貢献し、一躍アイドル的な存在となるのだが、戦闘中に目にした青緑色の髪の少女エウレカ(名塚佳織)と彼女の叫び声を忘れることができなかった。

現代と近い時代設定で、スマート端末が全面にフィーチャーされています。ガチな戦場におけるストラテジーをコンシェルジュアプリに尋ねたり。意識だけが敵の内部にダイブしている間は擬人化したアプリが戦闘をナビゲートする。ダイブの際に通り抜けるドアは公営住宅の玄関の意匠だが、その向こう側の光り溢れる16:9の縦横比はスマホ起動時の画面を想起させます。

現実世界はシネスコ、仮想世界はビスタサイズで表現されているので、何度も往復しても観客が迷子にならず親切な作りです。親切はそれ以外にも行き届いており、前作と比較して馴染みやすい。

少女に戻ったアネモネがエウレカと和解し、ガリバーから逃走するシーン。仮想世界ではどれだけ堅く繋いだ手も何度もすり抜けてしまうのに、現実世界ではしっかりと繋がって宙に浮くことができる。「魂にとって不必要な身体がないように、魂にとって不必要な世界はない」「あの戦闘のきらめきの中で誰かが死んでる。でも終わるに値する世界なんか存在しない」。

終末観漂う設定でありながら、そのメッセージは肯定的で希望に満ち溢れています。

前作と比較して1980~90年代レイブカルチャーへのオマージュは控えめですが、戦闘ロボットの名称に、SH-101TR-909(Roland)、VC-10 (KORG)など、往年の名器の型番が引用されており、主人公の父親の名前はken ishiiです。


 

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