2018年11月11日日曜日

ボヘミアン・ラプソディ

11月にしては気温の高い晴れた日曜日の午後、海沿いの映画館へ。ユナイテッドシネマ豊洲で、ブライアン・シンガー監督作品『ボヘミアン・ラプソディ』を観ました。

まずタイトルバックの20世紀FOXのジングルがいつもの管弦楽ではなく、ブライアン・メイグウィリム・リー)の音色そのもののギター・オーケストレーションで高まる。そのテンションが停滞することなく、あっというまの2時間15分です。

1970年のバンド結成前夜から1985年のライブエイド出演まで。クイーンというより、故フレディ・マーキュリーラミ・マレック)というエキセントリックなスーパースターの半生を描いた事実に基づくフィクション。

いろいろな楽しみ方のできる作品ですが、1976年の5thアルバム『華麗なるレース』からリアルタイムで聴き始めた僕にとっては、1st『戦慄の王女』(なんで女王じゃないんだろう?)のプリペアド・ピアノや人力レスリースピーカーなど、奇天烈なアイデアが溢れて止まらないレコーディング風景や「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「地獄に道連れ」などの名曲誕生の瞬間が再現されているのがうれしかった。クイーンで一番好きな曲ジョン・ディーコンジョセフ・マゼロ)作の「マイ・ベスト・フレンド」がメンバーからも微妙にディスられていたのも面白かったです。

ウェインズ・ワールド』(1992)には、カーステレオから爆音で「ボヘミアン・ラプソディ」を流し、ギターリフのところで全力ヘドバンする名場面がありますが、主役のマイク・マイヤーズがこの映画ではレコード会社の重役を演じ「車でヘドバンできない曲がヒットするわけがない」と一蹴するシーンは洒落が利いています。

グランドピアノにペプシの紙コップが大量に乗っているよく見るアー写はライブエイドなんですね。フレディひとりでこんなに飲むのかよ、と思っていたのも、前のアクトの飲み残しか、と謎が解けました。『クイーン・ロック・モントリオール1981』の夥しいハイネケンの壜はフェスではないので、ひとりで呑んだものでしょう。

東映のヤクザ映画を観た直後に歩き方がオラオラになるみたいに、映画館を出た男子たちが心なしかフレディのように胸を張っているように思えて、なんとも愛おしく平和な気持ちになりました。



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