2018年4月14日土曜日

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

雨の予感。COREDO室町2 TOHOシネマズ日本橋ジョー・ライト監督作品『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』を観ました。

ナチスドイツがヨーロッパを蹂躙し、ベルギーとオランダが陥落した。1940年5月9日、英国議会では戦時挙国一致内閣への協力条件として左派労働党がチェンバレン首相(ロナルド・ピックアップ)の退陣を要求、保守党がこれに応じる。保守党は外相ハリファックス子爵(スティーブン・ディレイン)を推したが、労働党が容認する次期首相は第一次世界大戦中オスマントルコとの戦いで失策したウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)しか選択肢がなかった。

翌5月10日、チャーチルはバッキンガム宮殿に召喚され英国王ジョージ6世(ベン・メンデルソーン)から首相に任命される。それからナチスに包囲され孤立した30万人超の英仏陸軍兵をダンケルクから救出したダイナモ作戦までの約3週間を描く。映画の原題は "Darkest Hour"。

躁鬱質で切れやすく、英国人らしく捻じれたユーモアを持ちながら粗野。そんなチャーチル像をゲイリー・オールドマンが迫真の演技で魅せます。イギリスでは当時既に女性参政権が獲得されていましたが、国会議員は男性ばかり。国民の生死を左右する重要な意思決定がホモソーシャルな価値観のみに基づいてなされることに違和感を持つ一方、チャーチルの妻クレメンティン(クリスティン・スコット・トーマス)やタイピストのミス・レイトン(リリー・ジェームズ)は自立した大人の女性として魅力的に描かれています。

監督は『ハンナ』のジョー・ライト。『ハンナ』とは異なり派手なアクションシーンはありませんが、おっさんばっかりの地味な画面を飽きさせずに見せるテンポの良い編集はお見事です。ただ勇壮なオーケストレーションが全編に被さってくるのはちょっとうるさく感じました。


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