2017年7月15日土曜日

フィクショネス詩の教室 @tag cafe 2017

今日も真夏日。梅雨が既に明けているんじゃないかという思うぐらい。下北沢の街は熱気に溢れています。フィクショネス詩の教室 @tag cafe 2017 を開催しました。

小説家藤谷治氏がオーナーの下北沢の書店フィクショネス2014年7月に惜しまれつつ閉店しました。2000年3月から閉店まで14年半続いた詩の教室で講師を務めさせていただきました。それから3年。当時の参加者のひとり杵渕里果さんが毎年7月にフィクショネス跡地と同じ街区のカフェを借りて、ワークショップを企画してくれます。

同窓会のようでもあり、且つ新しい方も毎年参加し、ひとつのテーブルを囲み、自作他作問わず好きな詩を持ち寄って意見交換する2時間。今日みんなで観賞した詩はこの12篇です。

谷川俊太郎「ニューヨークの東二十八丁目十四番地で書いた詩」
田村隆一頬を薔薇色に輝かせて
糸井重里「いいこ いいこ(GOOD GIRL)」※矢野顕子の歌詞
矢野顕子愛はたくさん(LOTS OF LOVE)」※同上
ウンベルト・サバ娘の肖像」「ぼくの娘に聞かせる小さい物語」「われわれの時間」「第一のフーガ(二声による)」※須賀敦子
・芦田みのり「パズル」
・ジュテーム北村「TQJ」
・谷川俊太郎「家族
・宮崎譲「やどかり」

僕は『俊読2017』のボーナストラック的に冒頭2篇を担当しました。同じ谷川俊太郎のまったく異なる作風の詩を選んだ方がいたり、偶然ふたりが同じ『ウンベルト・サバ詩集』から対照的な作品を持ち寄ったり。

普段なかなか知り合うことのない作者や作品に触れることができるのも、その作品が好きな人から愛情をもって紹介してもらえるのも、誰かが持ってきたはじめて聴く/読む作品の素敵なところや洒落た技巧を見つけて伝えるのも、ひとりで読書をしているだけでは味わえない。別の愉しみがあります。

現役のレッスンプロ(?)として受講料をもらい毎月教室を開いてた頃は、入念な下調べをして、合評は斬るか斬られるか、みたいな気持ちもありました。時間とともに詩とのつきあい方が変わり、当時の緊張感から解放されて、いまは詩との出会いをずっと素直に楽しめるようになりました。それは豊かなことだと思います。

参加者の皆様、tag cafeさん、そして杵渕里果さん、どうもありがとうございました。また来年も下北沢で会いましょう。


 

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