2016年5月21日土曜日

mayuluca×いろんなためいき

夏日。中央線各駅停車で国立まで。音楽茶屋奏さんで、mayulucaさんいろんなためいきさんのツーマンライブでした。

いろんなためいき(various sigh horns)はクラリネットのいろんなためいきさんのソロプロジェクト。2013年から多重録音のCD制作のみの活動を行い、今回がはじめてのライブだそうです。宮野裕司さん、奏の頭金周介さんと3本のクラリネットのアンサンブル。

ためいきさんのtumblrを見ると、自分のCDをかけてくれているお店に出かけて行ってご飯を食べたり、店主と話したり、今回のライブのメンバー紹介も面白くて、ほのぼのとした気持ちになるのですが、奏でる音楽は、変拍子や短二度の不協和音が入っても、そのまんまの優しい響きがします。

クラリネットという楽器はパーツが多くて見た目は複雑ですが、本体は木製の管と葦のリードでできており、息の音を多く含みます。はじめて笛を発明した人類は、木の洞に強い風が吹いて高い音が鳴るのを聴いて、人の息で鳴らしてみたいと思ったのではないでしょうか。管楽器は樹木の声であり、風の歌である。と、そんなことを想いながら。

数曲ずつ交互に演奏したmayulucaさんの声もどことなく木管楽器を想わせるところがあります。今年リリースした新譜『幸福の花びら』の全曲と前作『待ち焦がれているその朝は』から1曲を歌いました。

三管、ギターと声、と演奏形態は異なりますが、ミニマルなアティテュードには相通じるものがあり、お互いに響きあって豊かな時間を創造する。

終演後、CDを購入するときに、ためいきさんとすこしお話しすることができました。1~2分台の短い曲が多く収録されてるので「ハードコアパンクみたいですね」と聞くと、「ナパーム・デスが好きでした」とおっしゃる。なるほど、荒廃の果ての静寂の地に可憐に咲く一輪の花のような音楽です。



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